なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞ではなくて心筋梗塞

2015年04月12日 | Weblog

 今日は日直で朝から病院に来ている。昨日の当直は心臓センターのある病院からの応援医師だった。左上肢の脱力を訴える83歳男性の救急搬入されて、その先生が頭部CTの指示を出したところで引き継いだ。左上肢の脱力は改善していた。頭部CTで頭蓋内出血はなかった。頭部MRIを行ったが、拡散強調画像では新規脳梗塞の所見はなかった。MRAで見る脳血管はあまり狭窄はなかった。一過性脳虚血発作ということになるかもしれない。入院で経過をみて、明日MRIを再検しようと思った。

 放射線室から戻って心電図をとると、V1-4にST上昇があった。心筋酵素の上昇はなく、炎症反応上昇もほとんどなかった。ラピチェックはごく淡く出ているような出ていないような。トロポニンTは陰性。何度聞いても胸痛はない。左上肢に痛みや違和感を感じたのかと聞いても、脱力だったという(左下肢の脱力はない)。一昨年に便秘で当院消化器科を受診した時の心電図があり、出してもらうと今日の心電図とはまったく違って正常だった。胸部X腺で見る限り、大動脈解離はないようだ。

 慌てて昨夜の当直医を探したが、すでに病院を出ていた。急性冠症候群として、その当直医の所属している心臓センターに電話で連絡して、救急搬送とした。

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