なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

なんとか透析へ、S状結腸癌・肝転移、肺結核再燃疑い

2015年04月28日 | Weblog

 一昨日に救急搬入された消化管出血から誤嚥性肺炎をきたした64歳男性(糖尿病性腎症・腎不全で透析)は、入院後も血圧が上がらず、慎重に点滴量を増やしたり輸血をしたりして、何とか血圧100mmHgになった。実際はもっと点滴をぐっと増加させた方がよかったのかもしれないが、反応を見ながらの漸増になった。まだ人工呼吸は継続しているが、酸素濃度35%で酸素飽和度が98%と良好だった。抜管もできそうだ。今日が定期の透析日で、透析担当の先生に昨日から相談はしていた。血圧をみて決めることにしていたが、なんとかやれそうということになった。低流量で回すという話だったが、さっき無事できましたと報告があった。抜管してみないと意識障害の把握が難しい。

 昨日食欲不振で受診した76歳女性は、腹部造影CTで肝両葉に多発性転移を認めた。ふだんは脳梗塞後遺症(中大脳動脈領域)・血管性認知症・糖尿病で通院していた。肝機能障害としてはLDHのみが上昇していた。貧血はなく、CEAが8と軽度上昇でCA19-9がは正常域だった。S状結腸の壁肥厚と造影効果が指摘され、今日S状結腸までの内視鏡検査で進行癌が確認された。S状結腸の屈曲がひどく、内腔の狭窄の程度はわからないということだった。腸閉塞には至っていない。さて治療はどうしたものだろうか。もう少し若くて、あるいは同年齢でも認知症がなければ、手術して癌化学療法だろう。家族と相談だ。

 昨日内科医院から紹介された100歳男性は内科の若い先生が担当になった。2週間前から発熱が続いていて、クラビットが処方されていたが、効いていない。胸部X線で両側肺尖部に病変があり、胸部CTで見ると空洞性病変だった。戦後か戦中に結核といわれたことがあるらしい。肺結核の再燃が疑われた。しかし紹介された日もクラビットを内服している。今朝喀痰検査を提出したが、抗酸菌塗抹は陰性と出た。明日は休みなので、明後日とその次の日にも抗酸菌塗抹を提出する。喀痰自体は評価に値する痰だった。抗酸菌が陽性にならなかった原因は、抗酸菌感染症の症状ではない(抗酸菌の結果が出るまでセフトリアキソンの投与で経過をみる)、クラビット内服のために診断しにくくなっているだが、後者と思われた。

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