なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急変の多い1週間

2015年04月13日 | Weblog

 先週の金曜日にめまいを訴えて受診した86歳女性は頭部MRIで異常はなかった。外来で点滴をしていたが、軽快しないため、新患担当の先生(大学病院からの応援医師)から入院治療の依頼があった。点滴で経過をみて、翌日は症状が続いていたが、翌々日の日曜日には症状軽快して食欲も良好となった。むしろ認知症の徘徊が目立ち、その日の退院もあるかと思ったが、家族に一晩付き添って週明けに退院したいと希望された。

 今朝は朝食を食べて、普通に廊下を歩いていた(見ていないが看護師さんの報告)。その後、付いていたお嫁さんの話では、冷汗が出たと思ったら、そのまま倒れてしまった。病棟の看護師が駆けつけると、心肺停止だった。急いで個室に移して、心臓マッサージをアンビュバッグによる人工呼吸が開始された。連絡が来たのがちょうど午前8時半だった。急いで病室に上がって、心肺停止を確認して、気管挿管を行って、心臓マッサージ(胸骨圧迫)を続けた。エピネフリンも静注した。酸素飽和度が正常域で出て、心拍も出た。頸動脈で脈が触れた。人工呼吸器につないた。12誘導心電図をとると胸部誘導でST上昇を認めたが、肢誘導でもST上昇があるので原因か結果かわからない。

 そのうちに心拍数が低下して電位も低下してきた。エピネフリンの効果もなくなった。結局心肺停止から1時間後に死亡確認となった。Autopsy imagingもちょっと考えたが、心肺蘇生の時に家族からもういいですと言われていたこともあり、行わなかった。心臓と判断された。

 この1週間は高齢者の急変が多く、誤嚥性肺炎の急激な悪化でひとり死亡された。もうひとりも誤嚥性肺炎で、昼にムセっていたのは知っていたが、その後何ともなく見えたので経過を見ていた。深夜に呼吸困難となった。この方は何とかまだ頑張っている。また数年来の巨大な腎細胞癌があり、肺転移が疑われていた方は喀血して呼吸困難になった。この方もかんとか持ち直している。

 夜間に病院に駆けつけたのが2回で、土曜日の夕方にも1回駆けつけることになった。今日は平日で病院に普通に出てきたが、出ていきなりの急変だった。たぶんこれまでの例と比べると、1年分くらいの急変を1週間で経験したことになる。病棟の年配の看護師さんが勤務の時に当たることが多かったので、深夜に先生に会いたくないと言われた。

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