なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ほとんどは高齢者の肺炎

2015年04月08日 | Weblog

 昨日緊急手術になった92歳女性は、子宮留膿腫の破裂で膿性腹水が貯留していたそうだ。血圧50mmHg台でドーパミン、ノルアドレナリンを使用しての手術だったが、術中の急変もなく今日は尿量も確保できているそうだ。確かに子宮が腫大して多発性に石灰化した筋腫もあるが内腔に液体貯留があり、外科医は子宮留膿腫かもしれないとも言っていた。こういう時の外科医の決断と実行は大したものだと思う。

 朝方救急外来を受診した64歳女性は先月に続き2回目の一過性脳虚血発作を起こした。症状はいずれも構語障害で、一時的に意識レベルも低下(ほんやりとして、受け答えが緩慢)した。MRIで脳梗塞巣はなかったが、MRAで中大脳動脈の一部(M1)に狭窄が疑われる所見があった。先月入院時に主治医となった内科の若い先生が、脳血管障害の専門病院(脳血管内治療科)に紹介していた。

 病棟の糖尿病様御一行がいっぺんに退院してしまった。血糖測定とインスリン注射以外は、普通に院内を自由に歩いているので、寝たきり患者さんの多い内科病棟としては楽な患者さんたちだ。他科に入院している5名の糖尿病患者さんたちの血糖も診ている。そのうち整形外科に大腿骨骨折で入院している70歳女性は、心臓バイパス手術で心臓専門病院に入院した際に、その病院の糖尿病専門医がインスリン強化療法を導入した。専門医は超速効型と持効型を1:1に近い比率にするようだが、肥満の2型糖尿病では持効型が多すぎる気がする。入院後食事療法が強制的に守られるので、血糖は低めとなり、少しずつインスリンを減量している。外来の合計46単位が今日は32単位になった。古典的な?カロリー制限食でも血糖は十分に下がっている。

 先月肺炎・胸膜炎で入院して86歳男性が、ショートステイ入所中に発熱して受診した。先月に見られた胸水はなく、左下肺背側の陰影は腫瘤様に見えるが、内部に気管支が見られるので炎症像でいいのだろう。左腎臓に径10cmの腎細胞癌があるが、これはがんセンターで経過観察となったもの。今日の入院はこの方だけになりそうだ。

 昨日院長先生から、病院紹介の文章のうち内科部門のところを必要があれば直すようにと言われた。内科系のうちの(固有の)内科の紹介に、「感染症病床を用いた専門的な感染症診療」とあった。正確には、病床はあるが、輸入感染症などの時はそこに入院させて大学病院の感染症専門医が診に来る手筈になっている。実際は一般病床での高齢者の誤嚥性肺炎が中心で、まあ何でも診てはいる。「感染症を中心とした総合診療」に訂正した。亀田総合病院などをイメージした。診療レベルが違い過ぎるが、気持ちは大きく持ちましょう。

 今日は北里大学糖尿病センター長の山田悟先生の講演(緩やかな糖質制限の話)を聴きに行く予定。

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