なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

何ということもなく忙しい日

2015年04月06日 | Weblog

 今日は午前中は内科再来を診て、午後は病棟の回診だった。週明けの月曜日は普段から他の平日よりも忙しい。今日は病棟ではなくて、予約外の外来受診で忙しかった。

 先週大学病院から、経過観察と悪化時の入院治療依頼で紹介された肺癌の82歳男性が息切れで受診した。右下肺の呼吸音が弱く、これは胸水貯留だろうと思って胸部X線を撮ると、確かに胸水だった。先月の大学病院の胸部X線・CTではわずかな胸水のみだったが、今日は右胸腔の半分は胸水になっている。酸素飽和度は室内気で96%だった。動くと息切れがする。その旨をお話して入院しますかと尋ねると、入院はしたくないという。この方の奥さんは脳血管障害で当院に入院している。先週一緒に来た息子のお嫁さんの父親が別の病院に入院(脳血管障害)して、ひとりで来たという。利尿薬(ダイアート30mg)とステロイド(デカドロン3mg/日)を処方して、3日後に予約を入れた。呼吸困難・息切れが増悪する時は、すぐに受診(入院)してもらうことにした。

 高血圧症(心気症も)で通院している89歳女性が、2週間以上前からの食欲不振・倦怠感で受診した。3Kg以上の体重減少もある。発熱はないというが、一人暮らしなので正確にはわからない。高熱はないのだろうが、微熱はあるのかもしれない。悪寒戦慄はないが、寒気を感じることはあったそうだ。この方は大動脈の弁膜症がある。心雑音はいつもと同じように聴こえた(違う雑音が混じったかどうかは自信がない)。胸部X線・CTで肺炎はく、尿混濁もない。炎症反応上昇(白血球数12000・CRP7)があった。肝機能障害はなく、腹部エコー・CTで肝胆道系に異常はなかった。CTで見る限り、腹部悪性腫瘍はなさそうだ。感染性心内膜炎(経過としては亜急性)の可能性があるのかもしれない。外来で血液培養を提出して、入院とした。心エコー検査で疣贅を確認する。

 いとこの62歳女性が、食欲不振・倦怠感で受診した。顔をみるなり、入院させて下さいという。その母親は昨年亡くなった。父親(私の亡くなった父の兄)は認知症で施設と病院を行ったり来たりしている。夫の親も最近亡くなって、今は直接介護する人はいないという。いつ施設から入院になると電話がかかってくるかもしれず、気疲れするそうだ。息子が最近仕事を辞めて、今求職中なのも気になっている。一般的な検査をしたが、異常はなかった。近医からグランダキシンとデパス(それぞれジェネリック)を処方されていた。精査はしていないが、心因性と思われる。このくらいでは精神科病院で入院させてくれないし、本人も行く気はないので当院内科で入院とした。

 経口セフェム系はケフラールでもよいのではとご指摘いただきました。確かにケフラールはbioavailabilityが80%で、ケフレックスの99%には及ばないものの十分です。重症として1回500mg投与できる。青木先生の本には、第2世代セフェム系の処方として、点滴静注としてパンスポリン1gを6~8時間毎、経口ではケフラール250~500mg6~8時間毎とある。何故ケフラールに悪い印象があるかと考えると、どうも大野博司先生の本で、ケフラールの項に「血清病の副作用あり」とちょっとだけ記載してあったを覚えていたかららしい。でもケフラールの血清病って、何?。そもそもケフラールのこれまでの処方数は10回未満で、副作用は経験していない。

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