なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

DN(A)R

2015年10月13日 | Weblog

 今日は外来をちょっと診て、病棟も昨日の日直の時に確認していたので、診療としては楽に終わった。通院の関係で特定の曜日にしか来院できない、あるいは他科との併科の関係で曜日を合わせている患者さんたちがいるので、本来の外来担当日以外でも診察するようになってしまう。

 管理会議があり、月1回病院の各部署の代表が集まる。と言っても、病院のあらゆる問題については、管理会議の前週に行われる、事務部長(+各事務の課長)と正副院長会議であらかじめ方針を決めている。公立病院でも、病床稼働率と収入が一番の問題だ。最終的には当初の予算以外に補充しないとやっていけない。その補充の額を病院議会(市町・市会議員・町長・町会議員)で認めてくれるかどうかということになる(認めないわけにもいかないが)。何事も経済的にうまくいっていれば、それ以外は多少問題をかかえていても何とかなる。

 病院にDNRの書類がある。主に、癌終末期の患者さんや重症肺炎の高齢者(80歳代後半から90歳代さらには100歳以上)で、患者さんの家族と相談して決めている。書類自体は簡単なもので、病名の記載はあるが、対応の具体的な内容は書かれておらず、患者家族がサインをするだけになっている。ある先生から、この書類で大丈夫でしょうかと問題提起があった。つまり裁判になった時でも通用するかということだ。DNRを巡って訴えられた事例はないが、書式として通用するかどうかはわからなかった。

 今回DNRの詳しい指診を出している病院の書類を参考にして、DNR同意書を見直して、さらに倫理委員会で審議することになった。ちなみに他の病院はどうしているのかと、事務に訊いてもらった。意外にも当県の基幹病院2か所にはそういう書類はないそうだ。病状説明書の中に、具体的な対応を書いて、その中でDNRの方針も記載しているらしい。

 「蘇生不要指示のゆくえ 医療者のためのDNARの倫理」ワールトプランニング刊を購入したが、まだ読んでいなかった。月末の倫理委員会までに読んでおかなければ(倫理委員会の委員長になっているから)。

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