なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「糖尿病・血糖管理コンサルタント」

2015年10月17日 | Weblog

 土日の休みは「糖尿病・血糖管理コンサルタント」(金芳堂)を読むことにしていた。自宅にいると飽きるので、図書館と喫茶店で読んでいた。「血糖管理に必要な知識(知識の引き出し)」と「コンサルテーションの実際」に分かれていて、前者は教科書そのままだが、後者はよくあるシナリオで参考になる。非専門医が治療してうまくいかなかった時に、専門医がどう対応するかという視点で書かれている。研修医がこの本を読みこなせば、一般の内科医のレベルを越える。

 専門医ではないが、クリニックから紹介された血糖コントロールの悪い患者さんや、救急搬入された急性代謝異常(DKA、HHS、遷延性低血糖)を診たり、外科系の先生から血糖コントロールを依頼されることが多い。最近は、透析を受けている患者さんの糖尿病を診てほしいという話が出ていて、ちょっと困っている。

 もっと使用頻度を増やしたいのはGLP-1受容体作動薬だ。どうしても食事療法を守れない、というより過食がやめられない患者さんで使用したい。メトホルミン1500mg/日+DPP-4阻害薬+SU少量では血糖が改善しない。7%台ならまだいいが、8%を軽く越えて、9~10%で推移してしまう。血中Cペプチドは充分出ていて、インスリン抵抗性が高い。アクトスを処方してもよけいに太る。

 体重150Kgの40歳代女性、肥満の統合失調症の若い男女、食べるのが大好きな体重80~90Kg台の中年男女など、治療に難渋する患者さんたちがいて困っている。

 この本は2015年8月10日刊行だが、その後新規の持効型GLP-1受容体作動薬デュラグルチド(トルリシティ皮下注アテオス)が出ている。糖尿病は新規薬が次々に出てきて、覚えるのが大変だ。SGLT2阻害薬は適応が限られて処方することは少ないので、1種類だけ覚えればいいというのは助かる(メーカーには悪いが)。

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