なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

感染対策相互評価

2015年10月22日 | Weblog

 内科の若い先生が担当していた86歳男性は、COPD(肺気腫)で呼吸器外来(外部の応援医師担当)に通院していた。呼吸困難(低酸素血症)で10日ほど前に入院した。胸部X線・CTでは明らかな肺炎の浸潤影はなかったが、炎症反応が上昇して(気道感染以外に原因なし)いた。抗菌薬と短期間のステロイド投与で、症状が軽快して炎症反も改善した。もともとの吸入ステロイド(ICS+LABA)のみにすると、また酸素飽和度が低下して、炎症反応も上昇した。明らかな喘鳴は聴取されない。

 どうしたものかと、外来で担当している先生に相談してところ、当地域の基幹病院呼吸器科に連絡して、転院をお願いしてくれた。それが昨日で今日転院した。さて向こうではどう対応するのか。誤嚥の影響が考えられるそうで、まず嫌気性菌もカバーする抗菌薬を投与するだろう。ステロイドは短期間投与での漸減ではなく、ある程度の期間をかけてゆっくり漸減するのだろうか。もう少し当院で診れる気がするが、まあすぐに戻ってくるだろうから、一度専門医に診てもらうのもいいかもしれない。

 別の若い先生の診ている73歳男性は、胸腺癌(扁平上皮癌)・間質性肺炎・糖尿病だった。今年の初めに画像と当院外科で行ったリンパ節転移の生検で胸腺癌(扁平上皮癌)と診断された。大学病院から内科外来に来ている腫瘍内科に先生が、基幹病院の腫瘍内科(常勤医3名)に紹介した。抗癌剤治療を受けたが、効果はなかった。その間に、もともとあった間質性肺炎が悪化してしまい(薬剤の影響か)、ステロイド剤が開始された(現在プレドニン15mg/日)。さらに、もともとあった糖尿病が悪化して、高血糖を呈するようになった。食後血糖が500を超えてしまう。

 今回糖尿病治療目的で内科に入院した。インスリン強化療法で血糖は改善してきたが、病識がなく売店で食べ物を買ってきたたべるので、血糖が急に上昇することがある。癌の予後の問題もあり、そこは目をつぶるとして、ある程度の血糖に押さえる必要がある。この方はひとり暮らしで、認知力は低下していた(長谷川式だと21点)。内服薬の管理もきびしい。ましてインスリン自己注射ができるかどうか。ステロイド糖尿病で、主には食後高血糖なので、持効型はやめることにする、超速効型インスリンも毎食前の単位を朝昼夕と同じにする。それで自己注射を指導してみることになった。たぶんできそうにないが。

 今日は院内感染対策相互評価のため、県内としては遠方の病院からICD・ICNの方たちが来院した。予定の病棟と外来をラウンドして、改善点を指摘してもらう。感染管理加算のためもあるが、外部からの指摘を受けると参考になる。ご苦労様です。

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