側頭動脈炎が疑われた60歳代後半の男性に側頭動脈生検を行ったが(外科に依頼)、組織学的には陰性だった。残念。リウマチ性多発筋痛症(PMR)の症状があり、頭痛・視力障害・顎跛行の症状もあった。ただし、頭痛は発作的な両側側頭部痛だが、持続痛ではない。側頭動脈の圧痛もはっきりしなかった。眼科受診で、眼底所見はなかった。顎跛行は、こちらから症状を訊く前に、最近食べる時に顎がつかれて、いtったん咀嚼を休むようになったと自分から訴えたので、間違いない。プレドニン1mg/Kgの50mg/日で開始していた。側頭動脈炎は否定できないので、PMRの治療量(10~15mg/日)にはできない。そのまま側頭動脈炎として経過をみることにした。
この患者さんは入院前から、便に血液付着があり、腹部造影CTでS状結腸に腫瘤を認めた。S状結腸癌かと思われたが、内視鏡検査の結果は直腸上部(Rs)に有茎性ポリープがあり、5cm以上の茎がS状結腸まで伸びて、発赤調の腫瘤があった。腺種(m癌は否定できず)として内視鏡的切除(EMR)を受ける予定となった。PMRの症状が軽快して、動きも良くなり、そろそろ入院に飽きてきたようだ。顎跛行も改善している。