なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞寸前?

2015年10月06日 | Weblog

 50歳男性が救急搬入されて、救急担当の外科医から連絡が来た。この方は警察官で、昨日の午後5時ごろに50名ほどを前にして話(講話というそうだ)をしていた。その時、しゃべりにくさを感じて、また唾をのみ込みにくいことも自覚した。そのまま予定の飲み会に出席したが、ビール1杯でめまいを感じた(浮遊感)。仕事柄、途中で退席というわけにもいかず、なんとか頑張ってこなした。その日は、そのまま寝れば治るかと思って床に就いた。

 早朝3時ごろに左上肢と下肢(上肢の方に強く)のしびれと脱力を感じたそうだ。朝になって、自宅(単身赴任)まで部下に車で迎えに来てもらって出勤したものの、症状が続くため、救急要請した。搬入時、意識は清明で、左半身の脱力がわずかにあるようだ。会話する限りでは、構語障害とは言い難いが、やはりしゃべりにくいという。症状は、構語障害・嚥下障害・左半身の不全麻痺としびれということになる。

 頭部MRI・MRAがすでに施行されていて、拡散強調画像で脳梗塞を示す所見はなかった。放射線科医にすぐに診てもらったが、脳梗塞巣は指摘できないが、右中大脳動脈(M2)に狭窄が疑われる。症状が多少軽減したり、強くなったりしており、臨床的には脳梗塞になりかかっていると判断された。

 年齢が若く(職業のこともある)、最善の治療が好ましい。患者さんに専門病院への搬送の話をした。希望した基幹病院脳神経内科に連絡して、救急搬送することにした。そこは脳血管内治療まではできないので、さらに転送になるのかもしれない。高血圧症で治療を受けていて、搬入時の検査では糖尿病はないようだが、脂質異常症(高LDL-C血症)があった。

コメント
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