なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

パーキンソン+認知症

2021年03月13日 | Weblog

 木曜日の午後に、自宅のベランダで動けなくなった64歳男性が救急搬入された。近所の人が見つけて連絡したという(都市部ではない形?)。

 37.9℃のは発熱があり、いったん発熱外来の扱いになった。その後、内科の若い先生が対応して、画像検査と血液・尿検査が行われた。意識は清明だが、右上下肢が動かしにくいと訴えていた。話ぶりは呂律が回っていないようだ。今から頭部MRIをする、というところで相談された。

 白血球数・CRP検査は正常域だったが、好中球数増加はあった。発熱の原因として、肺炎・尿路感染症・胆道感染症は否定的で、両側の副鼻腔炎の所見があるのみだった。

 頭部MRIの結果、脳出血や脳梗塞はなかったが、年齢を考慮すると萎縮していた。患者さんを診にいった。確かに呂律が回らないような話し方だった。

 右肩が痛くて上がらないという。それは整形外科的な問題だろう。右手の振戦を認めた。訊くと、箸を持っての食事はできなくなっているそうだ。

 少なくとも昨年から身体の動きが悪くなり、仕事もやめていた。歩くと前に突進する傾向があり、転倒して額を打撲したこともある。両側上肢に鉛管様の筋強剛を認めた。

 どうやらパーキンソン病のようだ。時間外になっていたが、神経内科医に相談した。確かにパーキンソンでいいが、認知症の問題もあり、病型はすぐには確定できない。

 発熱があるので、パーキンソンの薬(レボドパ製剤少量で開始)は指示するので、内科入院で診れくれと言われた。翌日病室に行くと、座位になっているせいか前日よりは話し方は少しいいようだ。

 搬入時に家族が来ていなかった。後で妻の話を聞くと、数年前からしだいに身体の動きが悪くなっていた。年単位でしだいに身体の動きが悪くなっていたのに、そのまま放置していたことになる。それで受診していないというのは、認知力低下も同時に起きていたからなのだろうか。家族の対応も?だが。

 いかにもレビー小体病という症状はなさそうだが、病型的にはそうなるか。

 

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