なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多系統萎縮症

2021年03月08日 | Weblog

 先週の木曜日に地域の基幹病院脳神経内科から、多系統萎縮症の77歳女性がリハビリ目的で転院してきた。

 一昨年から言語緩慢・嚥下障害が出現して、昨年は転倒しやすくなっていた。今年の2月に近医から先方の専門医に紹介されている。

 結果的に治療はあまりないが、もっと早く受診してもよさそうに思う。自分で診たとして、パーキンソン病疑いとして専門医へ紹介するとは思うが、案外経過をみてしまうだろうか。

 筋力低下・腱反射亢進・筋固縮・運動失調と自律神経障害(便秘・起立性低血圧)を認めていた。頭部MRIでは、T2強調画像・FLAIRで両側被殻外側に線状の高信号域があり、小脳・脳幹部の萎縮が認められた。

 介護認定・自宅での介護調整が必要であること、数年で歩行障害・嚥下障害が進行して胃瘻造設・気管切開が必要になると説明済みとあった。

 多系統萎縮症のタイプは記載されていないが、MSA-P(線条体黒質変性症)になるのだろう。

 今のところ、普通食(軟菜食)を自力で食べている。リハビリは理学療法士に依頼するので、主治医としては先方の処方(レボドパ製剤)を継続するだけにはなる(退院後は先方の外来に回すことになっている)。

 嚥下障害の進行で誤嚥性肺炎をきたすようになられば、胃瘻造設・経管栄養になるのだろう。気管切開まではしないのではないだろうか。今回は約1か月のリハビリ入院で退院になる見込みだが、病状進行期にまた当院で診ることになるか。

 

 県内で新型コロナの患者数が増えてきた。介護施設でクラスターは発生して、今日は濃厚接触者のPCR検査を20件行った。明日も同数の検査が依頼されるそうだ。現在高齢の患者さんが2名入院しているが、増えそうだ。

 ひとりコロナ診療なので、PCRは10~20件、入院は4名(当院は8名まで入院)くらいにしておきたい。通常の内科診療と兼任なので。

 

コメント
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