なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

97歳の新型コロナウイルス感染症

2021年03月23日 | Weblog

 昨日の午後5時過ぎに、新型コロナウイルス感染症と判明した97歳女性の入院依頼が来た。

 3月15日から倦怠感・食欲不振があり、翌3月16日から発熱・咳が続いていた。近医で感冒として治療していたが、その日旧国立療養所系の病院を受診していた。自前のコロナPCR検査で陽性と判明した。(同時に行った抗原定性では陰性で、PCRとの感度差を証明したことになる)。

 その病院の外来で500mlの点滴2本・抗菌薬・ステロイドと、内容からいえば1日分が投与されていた。収容先を探したが決まらずに、ほぼ時間外になりかけていたことになる。

 地域的にはその町から当院を受診する患者さんは皆無で、大抵は医療センターに搬送されるはずだった。医療センターでは患者数が増えていて、受け入れできなかったのだろう。

 県のコロナ本部にいる先生から、大学同門の当院院長に依頼があり、当院で引き受けることになった。発症から1週間が経過して発熱が続いていることから、肺炎が進行していると予想された。

 その地域の救急隊が搬送してきたが、患者さんは案外元気だった。この年齢で一人暮らしをしていた。息子さんたちは首都圏在住で、発症前に千葉県にいる息子が来ていたという(感染源?)。

 胸部CTを撮影すると、両側肺野にすりガラス陰影が広がっていたが、酸素飽和度は95%(室内気)と良かった。中等症Ⅰになるが、ちょうど肺炎が悪化する時期にあたり、ここ数日の経過で決まる。

 

 白血球4100・CRP19.2とCRPの上昇が目立った。リンパ球6.5%・LDH251・Dダイマー2.2・フェリチン1053とコロナで異常値を示す項目を満たしていた。

 中等症ⅠからⅡへの移行期相当で、すでに先方の病院で入れていたし、ここはデキサメサゾンを投与するのが妥当だろう(今日で発症9日目)。

 患者さんが行っているデイサービス先で、接触者のPCR検査が行われるはずだが、地域的に遠いので当院に依頼されることはないだろう。

 

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