なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞で搬入された新型コロナ

2021年03月30日 | Weblog

 昨日内科クリニックから69歳男性が脳梗塞疑いで救急搬入された。冠動脈PCIの既往があり、その後心房細動にもなっていて、抗血小板薬と抗凝固薬を内服していた。

 頭部MRIで右中大脳動脈領域の脳梗塞を認めた。心房細動があることから心原性脳塞栓という診断になる。(抗凝固薬を内服していること、発症が突発ではないこと、MRAで脳動脈の狭窄が目立つことから、血栓症も否定できない)

 当院に紹介されたのは、地域の基幹病院の脳神経内科が院内のコロナ発生で受け入れを中止している影響がある。このくらいならば当院でも、というところだった。

 入院時検査として胸部X線を撮影すると、両側肺野にもやもやと陰影が広がっていた。

 発熱はなく、酸素飽和度は94%(室内気)程度で、呼吸器症状は訴えていなかった。胸部CTで確認することになった。すると、両側肺野にすりガラス陰影が広がっていた。どうみても、新型コロナウイルス感染症の肺炎像に見える。

 抗原検査が行われて、救急外来を診ていた内科の先生が相談に来た。画像は確かにコロナだった。抗原検査の結果が出て、陰性だった。

 発熱外来で念のため的な検査としては抗原検査をしているが、疑わしい時には院内に入れたPCR検査(行政検査よりは感度が低い)をすることになっている。さっそく出してもらった。

 保健所から依頼のPCR検査を15件することになっていたので、院内のPCR検査で陰性ならそちらも提出する予定とした。70分くらいで院内のPCR検査がコロナ陽性と出た。

 

 新型コロナの病床は現在4床で運営中で(看護師さんを2名ずつしか出せないため)、4名入院している。脳梗塞もあり、できれば高次医療機関で診てもらいたいので、保健所から県のコロナ本部に連絡してもらった。

 病床がひっ迫して受け入れは困難だった。当院のコロナ病棟に入院している患者さんのうち、発症から感染性がなくなっている96歳女性を一般病棟に移動させて、この患者さんを入れることにした。

 

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