11月10日(日)は日直だった。休日当番医の内科医院から肺炎の患者さんの入院治療を依頼された。
60歳代半ばの男性で、高血圧症で別の内科クリニックに高血圧症・高尿酸血症で通院している。11月4日から微熱と倦怠感があり、11月8日にそのクリニックを受診した。コロナの迅速検査は陰性で、胸部X線検査を受けて肺炎といわれたそうだ。
抗菌薬の点滴と内服薬で治療が開始された。そこの先生は外来での抗菌薬はメロペネムを使用するので有名だった。内服薬はレボフロキサシンだった(COPDとしては適切)。
11月11日解熱して食欲も良好だが、労作時の息切れがあり、当番医を受診したという経緯だった。酸素飽和度は92%(室内気)と低下している。
胸部X線・CTで確認すると両側肺野に気腫性変化があり、主に右肺炎だが左肺炎もあった。
20歳から50歳代まで30年の喫煙歴があり、ふだんでも坂道などでは息切れを感じているという。これまで別の病院で慢性閉塞性肺疾患(COPD)といわれたことがある。要するにCOPDの肺炎による増悪だった。
酸素吸入(2L/分)と抗菌薬(セフトリアキソン)を開始した。肺炎像からは非区域性の病変で、肺炎球菌肺炎が疑われる。