なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝門部胆管癌

2018年11月01日 | Weblog

 昨日内科新患を診ていた内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)から、黄疸の75歳男性のことで相談された。

 濃縮尿と灰白色便で受診していた。心窩部違和感があり、少し食欲も低下しているようだ。すでに検査をしていて、肝機能障害・黄疸(総ビリルビン7.0mg/dl)があった。造影CTで肝門部に腫瘤があり、肝内胆管が拡張している。総胆管の拡張はなかった。

 肝門部癌(肝内胆管癌)だった。MRI検査は予約の隙間に入れてもらえそうだという。腫瘍マーカー(CA19-9・CEA・AFP)の追加と、MRCPの結果を見て方針決めることにした。

 著増していると予想したCA19-9とCEAは案外軽度上昇のみだった。MRCPでみると、肝内胆管が左右泣き別れのようになっている。これから血清ビリルビンがさらに上昇してくるだろう。

 扱えるのはがんセンターか大学病院しかないが、大学病院の消化器外科(肝胆膵)は肝門部胆管癌を専門にしている。大学病院に紹介することになった。

 この患者さんの妻は後天性血友病Aで当院内科に通院している。認知症で介護が必要だが、妻の介護をするのは面倒らしく、オムツ交換はヘルパーさんが来た時にだけしてもらって、自分ではしない人だった。

 8月初めに奥さんが尿路感染症・臀部湿疹・ADL低下で入院していた。在宅介護は無理なので、施設入所の方針となり、一般病棟から地域包括ケア病棟に移っていたが、10月下旬にめでたく施設(グループホーム)に入所となった。

 入院した後に何回か逢って、今後の方針を決めたが、9月以降は主にソーシャルワーカーと施設入所の相談をしていたので、会っていなかった(病院に来ても用が済むとすぐに帰ってしまう)。退院時にも会わなかったが、会っていたら黄疸に気づいただろうか。

 奥さんは後天性血友病で大学病院の血液内科に通院していたし、契機となった大腸癌の手術は大学病院外科で受けている。前回は下肢の大量皮下出血で救急部に搬送した。この患者さんは、大学病院自体、そして消化器外科に行くのは慣れているのだった。

 

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