内科新患担当医(大学から応援)から相談を受けた。患者さんは57歳男性で、10月中旬というから約2か月弱発熱が続いている。当初は高熱だったが、しだいに37℃台になってきていた。最初かかりつけのクリニックを受診して、その後当院の新患外来を11月26日と12月3日に受診して、頸部から骨盤までのCTやリウマチ膠原病を含めた血液検査を受けていた。画像では異常を指摘できない。CRPが6から3になり、今日は1.5だった。何だかわからない時はCRPの経過はヒントになる。全身状態も少しずつ改善していて、原因は不明だが、良くなりつつあるように思える。もう1週間カロナール頓用のみで経過をみることを勧めた。おそらく何らかのウイルス感染症と思われる。サイロメガロウイルス抗体価を追加で提出しておいた。来週どうなっているか。
今日は当直で病院に出てきた。葬儀で2日間休んでいる間に2名の高齢者が死亡していた。ひとりは誤嚥性肺炎で、肺炎自体は軽快していたが、全身状態は改善しなかった。もうひとりは95歳女性の腎不全増悪。退院時サマリーを書いて、紹介先の施設の先生に返事を書いた。
小児科医が日直をしていた。夕方に95歳男性の心房細動・心不全が呼吸困難で救急搬入された。その後小児のけいれん重積が搬入されて、そちらで手一杯になったため、高齢者の方を診てほしいと連絡がきた。著明な心拡大と肺うっ血・胸水貯留があった、陳旧性肺結核があり、高炭酸ガス血症も併発しているので、酸素濃度の調整が難しい。循環器科医に連絡して、当面の指示をもらって今晩は私が診て、明日引き継ぐことにした。ラシックス1A静注とハンプの点滴静注で尿がかなり出てきた。なんとかなるかもしれない。ただし、内科クリニックの処方はラシックス、ニューロタンなどがきちんと出ていて、ショートステイで入所していて治療中断もなく、明らかな感染症の合併もないとなると、心機能自体が徐々に低下したことになる。内服薬を何か追加して退院できる状態にできるかどうか難しそうだ。現在循環器科には、ある程度は改善したものの退院できずに入院継続している高齢の心不全患者さんが溜まっている。
1週間前に母が亡くなったが、お寺の都合で火葬だけすませて、今週末に葬儀となった。昨日は通夜で、今日は告別式。亡くなったから時間が経ってしまって、すでに年金を止めたり保険の書き換えをしたりと事務的な手続きを行っていた。
通夜には院長が出席した。病院関係者の冠婚葬祭に出るのが仕事だが、病院職員は200名近いので、全部には出られないだろう。医局関係と、看護部や事務の幹部クラスに限られるのかもしれない。地域の医師会に入っているので、医師会から電報が来て、開業医の先生方から病院に届いた御霊前の封筒を病院事務職員が届けてくれた。消化器科の先生方や、以前内科で一緒だった今は父親の医院を継承している先生などが来てくれた。
うちは父親が6年前に死亡していて、こどもは私と妹のふたり。私が喪主だが、実際の手続きや親戚との連絡は全部妹がしているので、実際の喪主は妹で私は名前だけの喪主だ。妹に言われるままに、親戚にあいさつをしていた。葬儀社の担当者も「先生に言ってもわからないので、妹さんと相談して決めます」と言っていた。
両親の兄弟姉妹も高齢で、施設に入所していて来られない人もいた。同世代のいとこたちも中高年になっている。葬儀でもないと、なかなか集まる機会がないので、ひとつのキッカケにはなるようだ。母親は4人姉妹(2番目)だが、一番最初に亡くなってしまった。姉の夫は亡くなってしまったが(私が主治医で胃ろう造設をした)、妹2人は夫婦ともそれなりに病気はあるようだがまだ元気で、通夜の後は姉の家(実家)に泊まることになっていた。いとこ(母の姉の息子)の運転するエスティマに乗り込んで実家に向かったが、楽しそうだった。
今日の告別式を終えると、明日は病院の当直。
今日は休んでいる内科医(父親が亡くなって医院継承の準備中)の外来を診ていた。血圧が安定しない患者さんなどは別にして、特に変わりがない患者さんはとりあえず3か月分処方した。今後誰が診るかあてがない。3か月後に来た時に診察する医師がいない可能性があるので、3か月後に来た時の処方も入力して6か月後も予約も入れておいた。
春に医師が増えた時にまた考えることにして、今は1週間分の予定しか立てられない状況なので、無難にやり過ごすことだけ考えよう。
今年の夏になんとか退院にこぎつけて、その後外来通院していた腎不全の95歳女性が全身浮腫で受診した。胸水腹水もある。肺うっ血があり、動くと喘鳴があるという(車いすに乗っていると聞こえない)。血清クレアチニンが漸増していた。酸素はそれほど下がっていない。もともと心肺疾患はないので、貯留している水分の割には酸素飽和度が保たれているのだろう。
入院して酸素吸入を開始したが、さて、ここからどうしたものだろう。外来で入れた点滴はすぐに漏れてしまった。末梢血管は見えるが、もろすぎる。中心静脈ラインをから点滴するしかないが、それは適切な治療なのだろうか。
今日は内科新患外来に出ていた。嘔吐・下痢・腹痛・発熱を訴える感染性胃腸炎(ノロウイルス)の患者さんが数人受診してきた。若いお母さんやお父さんで、子供が2-3日前から同じ症状があるという。腹部所見は軽く、対症的にナウゼリン・みやBM・ブスコパンの処方を出すことが多い。点滴の希望があれば、外来で500mlの点滴を行うが、どれほど効果があるかはわからない。この程度の輸液量でも、良くなりましたといって、実際に顔色も良くなって帰ることが多い。
胆嚢結石・総胆管結石があり、急性胆嚢炎・胆管炎で入院していた94歳男性は、抗菌薬投与でもなかなか炎症反応が下がらなかった。それにしては、しだいに解熱して肝機能障害が正常化してきていた。腹痛も軽快して、炎症反応と合わないと思っていた。
週末から右手関節の腫脹があり、後頸部痛もあった。今日触診すると手関節に熱感があり、明らかに腫れている。X線でみると手関節(三角靭帯)に石灰化があり、また頸部CTで環軸関節の歯突起周囲に石灰化を認め、偽痛風だった。胆道感染症は軽快していて、偽痛風による炎症反応上昇だった。NSAID(セレコックス)内服とPPI内服を開始して食事(脂肪制限食)を出してみることにした。外科医の判断では手術はしない(できない)だったので保存的にみるしかないが、いったん治まるかもしれない。