なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

紹介しにくい?

2021年03月21日 | Weblog

 木曜日に当直だった外科医は、金曜日の午前中も救急当番に当たっていた。レビー小体型認知症(らしい)で脳神経クリニックに通院している83歳女性が動けなくなって救急搬入された。発熱もあり、傾眠状態だった。

 発熱外来扱いになるので、新型コロナの検査(抗原定性)で陰性確認した後に、通常の画像検査・血液尿検査が行われた。白血球8900・CRP0.5と炎症急性期の所見だった。

 Hb15.6g/dlと血液濃縮があり、BUN70.3・血清クレアチニン2.90と腎前性腎不全を呈していた。血清ナトリウム166と高ナトリウム血症もあった。

 CK 7083・AST 236・LDH 751と筋原性酵素の上昇を認めた。心電図で虚血性変化はなかった(洞性頻脈のみ)。Dダイマー28.7と凝固異常を呈している。

 頭部CTでは脳委縮が目立った。明らかな脳血管障害はない。肺炎、尿路感染症は否定的で、左股関節部に褥瘡があり、同部が感染巣を呈しているようだ。

 リスペリドンを内服している影響も考えたようだが、筋肉の圧挫が疑われた。長期間同じ姿勢でいたのだろうか。

 認知症・介護不足(?)、褥瘡感染・筋挫滅で多臓器不全に向かっている病状と判断される。高次医療機関に紹介するのは、褥瘡がらみの悪化ということで躊躇していた。自分で診る気になっていたようだ。

 地域の基幹病院救急科に訊いてみませんが、勧めてみた(発熱があるので相談されていた)。当直明けで午後は帰る先生が診るよりは、しっかり治療してもらえる。

 家族と相談してみるといっていたが、先方の病院で受け入れ可能ということで、救急搬送となった。急性期を診てもらえれば、ある程度病状が落ち着いたところで引き取らせていただく。

 

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心気症

2021年03月20日 | Weblog

 木曜日は外科医が当直だった。翌日の午前0時過ぎに82歳女性が救急搬入されていた。

 以前からある耳鳴が数日前からひどくなり、両手のしびれも気になってきた。頭部の違和感と嘔気も出て来て、救急要請していた。

 意識清明で、さまざまな症状を早口で訴えていた。当直医は頭部MRIを行って、特に所見はなかった。帰宅ともできず、外科で入院にしていた。

 木曜日の内科当番だったので、病院に来て病棟に行った時に相談された。少なくとも外科で診る疾患ではないので、内科で診ますと答えた。

 病室に行ってみると、朝食を半分くらい食べた後だった。印象としては多弁な心気症の雰囲気がある。

 耳鳴は数年前からあり、耳鼻咽喉科クリニックでは年のせいで仕方がないと言われているそうだ。数日前から強くなったというが、その時は普段と同程度だった。難聴は若干左耳であるが、特に支障はない。

 手のしびれは治まっていた。両膝も痛いというが、屈曲は問題なくできる。整形外科で評判の病院に通院して、リマプロスト(オパルモン)などが処方されていた。同病院の泌尿器科でαブロッカーも処方されている。

 内科クリニックに高血圧症・脂質異常症で通院していた。最近、ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)2錠分2が2週間分処方されていた。

 ただ、処方した先生には、あまり飲まないようにと言われていた(どうすればいい?)ので、まったく飲んでいない。外来で様々な症状を訴えていたのだろう、と想像される。

 特定の症状に固執しているのはなく、次々に症状を訴えていた。現在の病名としては、身体症状症になるが、古典的には心気症になる。

 夫と二人暮らしで、夫は無口で話相手にならないそうだ。近所の友達の家に行ってお話してくると、気持ちがすっきりするという。しかし、今どきのコロナの問題で行きづらくなり、数か月間は行っていない。

 病室で15分くらい話を聞くと、すっきりしたようだ。週明けまで入院しますかと訊くと、午後には家に帰るという。メイラックスは長時間効いてしまうので、いつものクロチアゼパム(リーゼ)5mg錠を屯用として5回分持たせることにした。

 さまざまな症状が気になって、いらいらする時に屯用してもらう。

 

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脳出血の経過

2021年03月19日 | Weblog

 脳出血(左視床出血)の68歳男性の経過。

 糖尿病で内科医院(糖尿病専門医)に通院して、インスリン強化療法を受けていた。2月6日に脳出血を発症して、地域の基幹病院に入院した。出血が脳室穿破している。

 脳出血だが、保存的治療になることから、脳外科ではなく脳神経内科に入院していた。意識が回復せず、到底経口摂取もできないことから、末梢静脈からの点滴で経過をみる(お看取り)ことになった。

 当院に転院依頼がきて、2月26日に転院した。その時は開眼はしているが、視線は合わず、発語はまったくなかった。家族と相談したが、意識が戻らないのであれば、高カロリ-輸液・経管栄養は希望しないという。

 とりあえずは、同じ方針で点滴継続としていた。血糖コントロールが結構大変だった。後で血中Cペプチド(<0.6)を測定すると、インスリン依存状態だった。

 ただ当院で頭部CTを撮り直してみると、まだ血種が残存して脳浮腫もあった。さらに先方の病院で血清ナトリウム177と高ナトリウム血症を来して補正はしていたが、転院時も166と高値だった。

 血種が吸収されて、血清ナトリウムを正常化すれば、意識が改善する可能性がある、と判断された。実際に少しずつ意識は回復して、視線が合うようになり、発語がみられるようになった。

 さらに簡単な会話ができるようになった。嚥下訓練を行って、嚥下調整食3から開始できた。微熱(軽度誤嚥?)が気にはなったが、経口摂取できて嚥下調整食4に変更した。

 今日頭部CTをまた撮って、血種は吸収されて、脳浮腫も軽快していた。ただ、内包から被殻にかけて病変が及んでいるので、右半身完全麻痺が改善することはない。(血清ナトリウムは正常化した)

 

 現在はインスリン強化療法で、血糖コントロールを主に行っている。座位保持できれば車いす移乗も試したい。入院期間をあまり気にしなくていい病院ならではの経過かもしれない。

 

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心原性脳塞栓症

2021年03月18日 | Weblog

 昨日、地域の基幹病院の脳神経内科から、89歳男性が転院してきた。2月26日に意識障害・構音嚥下障害・左不全麻痺で発症した。

 右中大脳動脈(MCA)M2の描出不良があり、同領域に新規梗塞巣を認めた。MCA領域全体ではない。搬入時の心電図で心房細動があり、心原性脳塞栓症と診断された。

 送られてきた画像で梗塞巣内の出血が疑われたので、頭部CTをとってみたが、それはなかった。抗凝固薬(DOACのリクシアナ)が投与されていたので継続とした。

 当院の糖尿病外来(大学病院の医師担当)に通院していた。数年来、認知症が進行していたようだが、基本的に血糖コントロールだけしていたようだ。

 嚥下障害で経口摂取できないので、経鼻胃管挿入による経管栄養が開始されていた。高齢で胃瘻の適応もなさそうだが、胃切除術後で造設不可能だった。

 認知障害があり、手足を活発に動かしている。不穏ありとして、先方で抗精神薬が投与(注入)されていた。

 当院でも嚥下訓練を行うが、胃管が挿入された状態なのでやりにくいだろう。今どきだと、経鼻胃管の経管栄養は施設で嫌がられてとってくれない。まず胃管を抜かれないように、抑制が必要で、その点でも施設は無理だ。

 現状維持でいくとすれば、療養型病院に依頼するしかないかもしれない。脳神経内科の先生は、嚥下障害があると関心がないようにみえるが、こちらの僻目?。経口摂取できるようにならないだろうか。

 

 

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すりガラス陰影?

2021年03月17日 | Weblog

 昨日内科新患を診ていた内科の若い先生から、発熱外来経由で3名の患者さんが内科に回されてきた、と報告がきた。

 ひとりは79歳女性で、若い先生が急性腎盂腎炎で入院治療を担当して、治癒退院にしていた。また同疾患で再入院になる。もう1回担当してもらうことにしたが、今月いっぱいで転勤になるので、途中から内科の他の医師が引き継ぐことになる。

 もう一人は86歳男性で、グループホームに入所している。当院の循環器科と呼吸器科の外来にきていたが、循環器科の閉科とともに、合わせて内科クリニックに紹介されていた。

 50年以上(20歳前から70歳くらいまで)の喫煙歴があり、慢性閉塞性肺疾患だった。今回は発熱・呼吸困難で内科クリニックから紹介されての受診だった。胸部X線・CTですりガラス影を認めるという。

 確認すると、肺気腫像があり、右肺野に確かにすりガラス様陰影を認める。ただ主に右側に認めるのと、肺野内でもややまだらに分布している。気腫像を呈する肺に浸潤影が広がっているということのようだ。

 白血球10100・CRP13.9と炎症反応上昇の程度があり、LDHが225とふだんの120~138よりは上昇している。一応間質性肺炎のマーカーも提出した。

 通常の急性肺炎発症による慢性閉塞性肺疾患の増悪として、抗菌薬(セフトリアキソン)で経過をみることにした。日中はよかったが、昨夜は不穏で病棟看護師さんを困らせていた。

 もう一人は精神発達遅滞で施設入所中の61歳男性で、多動がある。食事の時もかき込んで食べてしまう。食物を詰まらせて、酸素飽和度が一時的に低下したが、その後は回復していた。画像上肺炎像はなく、まだ炎症反応も正常域だった。

 誤嚥性肺炎を来してくる可能性があるが、施設職員の話では動きまくるので入院は難しいという。抗菌薬内服で外来フォローとした。2日後に当院内科外来予約が入っているので、3日分の処方で経過をみる。

 

 月曜に発熱外来を受診した市内在住の42歳男性は、新型コロナウイルス抗原定性試験で陽性と出た。ちょうど保健所の依頼でPCR検査をしている時に(担当の外科医から)相談されたので、PCR検査を追加して確認することにした。

 翌日火曜にPCR検査陽性と判明した。前日に発熱したが、受診した月曜には解熱していた。保健所の判断になるが、おそらくホテル療養だろう。

 火曜日の午後に、同居の両親のPCR検査を依頼されて行ったが、二人とも陰性だった。両親は濃厚接触者として2週間の自宅待機になるのだろう。

 

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レイノー現象

2021年03月16日 | Weblog

 市内の医院からレイノー現象の42歳男性が紹介されてきた。一昨年の11月から時々、右中指が真っ白になって冷感・しびれを伴うそうだ。

 11月から3月にかけての冬季期間に起こり、他の季節には(少なくとも自然には)起きない。洗い物をすることもあるが、冷水ではしないので、それで起きることはあまりないらしい。

 右示指・薬指も同時になることはあるが、ほどんどは右中指だけが多い。左手指になったことは覚えていない。

 右中指が白くなった時にスマホで撮影していて、見せてくれた。まさしくレイノーだが、白くなって紫になって赤になるという一連の変化はなく、白くなって10分ほどで元に戻る。

 内科医院には高血圧症で通院していて、若年性なので高血圧症に関連したホルモン検査を行っているが正常域だった。処方はCa拮抗薬で開始して、二次性高血圧症が否定的になってからARBを追加していた(たぶん大学での専門は高血圧の先生)。

 電動工具を扱うような仕事についたことは、多少あるそうだが、現在はパソコンに向かう仕事だった。喫煙歴はない。

 原発性のレイノー病か二次性のレイノー症候群で、二次性としては全身性硬化症(強皮症)などの膠原病になる。両手の皮膚が厚く、特に右手で目立つが、腫脹しているとはいえない。

 医院で抗核抗体を測定していて20倍で正常域だった。炎症反応上昇・血液凝固異常はない。紹介なので、いちおう外注検査を含む血液検査を当院でも提出したが、たぶん陰性だろう。

 せっかくの紹介だが、リウマチ膠原病科のある病院に最初から紹介してもらう方がよかったかもしれない。

 

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大腿骨頸部骨折

2021年03月15日 | Weblog

 親戚の91歳女性が火曜日の夜に転倒して、その後から痛くて動けなくなっていると、金曜日にその息子さんから連絡がきた。ベットから降りて、ヒーターのスイッチを押そうとして転倒していた。どこを痛がっているかと訊くと、とにかく足腰が痛いと言っているそうだが、具体的な部位がわからない。

 11年前に右大腿骨頸部骨折の既往があるので、今後は反対側かもしれないと思ったが、腰椎圧迫骨折や骨盤骨折の可能性もある。本来は整形外科の問題で、当院は昨年から整形外科医はいないが、まず来てもらうことにした。手術が必要な骨折があれば、紹介するしかない。

 介護タクシーで車いすに座って受診した。どこが痛いのかと訊くと、左大腿部だったり、右大腿部だったり、本人の訴えがはっきりしない。

 座位では診察できないので、外来の看護師さんにストレッチャーを持ってきてもらって、その上に横臥させた。左下肢が短縮して外旋している。大腿骨頸部骨折のようだ。

 放射線科でまず骨盤X線を撮影してもらうと、左大腿骨頸部骨折だった。骨盤骨折(恥骨・座骨)はない。腰椎X線は取り消して、大腿骨の2方向のみにした。

 右大腿骨頸部骨折の手術を受けた病院に連絡すると、今はたいていそうだが、地域医療連携室に回された。事情を説明すると、整形外科は手術中でその日の受け入れはできないが、週明けの月曜なら可能という。

 当院入院で待機して、週明けの転院にしてもらった。内科で入院して、アセトアミノフェンとセレコキシブ内服で週末を過ごして、今日先方の病院に転院となった。

 そういえば11年前の右大腿骨頸部骨折の時は、自分でタクシーを呼んで、整形外科クリニックを受診した人だった。その時よりさらに年齢が進んでいるし、今回は歩行できるようになるだろうか。

 診療情報提供書に、「当院には整形外科常勤医はいませんが、回復期リハビリ病棟があり受け入れ可能です」と記載した。

 

 「心電図ハンター」を出された札幌の救急医・増井伸高先生が「骨折ハンター」(中外医学社)も出されている。ちょうど読んでいるところだった。整形外科医がいない病院の必読書かもしれない。

骨折ハンター レントゲン×非整形外科医

 

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ちょっと懐かしい本

2021年03月14日 | Weblog

 医局のロッカーにため込んだ医学書を整理している。かなり以前に購入した「循環器疾患カンファランス」(日本医事新報社)が出てきて、読み返していた。

 もう廃刊になった「日本医事新報junior版」に連載されていた記事をまとめたもので(たぶん)、2007年の発刊だった。大阪市立大学病院循環器内科の、著者の表現によれば「心エコー屋さん」たちの執筆になる。

 すでに発刊後14年経過しているが、病歴から診断までなので、今でも使えると思う。症例集を集めるのが一番勉強になってわかりやすい。

 「以前より心電図異常を指摘されていたが、特に症状がないため精査を受けず放置していた」という病歴が多いのが面白い。実際そういう患者さんが多い。

 「日本医事新報junior版」の内容は医学生向けのやさしい内容で、個人的に年間購読していた。そこから生まれた「reversed CPC」が特によかった。通常のCPCの逆で、検査値から臨床像・経過を推論するという形だった。

循環器疾患カンファランス―思考プロセスがわかる!基本症例へのアプローチ (別冊junior)

 

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パーキンソン+認知症

2021年03月13日 | Weblog

 木曜日の午後に、自宅のベランダで動けなくなった64歳男性が救急搬入された。近所の人が見つけて連絡したという(都市部ではない形?)。

 37.9℃のは発熱があり、いったん発熱外来の扱いになった。その後、内科の若い先生が対応して、画像検査と血液・尿検査が行われた。意識は清明だが、右上下肢が動かしにくいと訴えていた。話ぶりは呂律が回っていないようだ。今から頭部MRIをする、というところで相談された。

 白血球数・CRP検査は正常域だったが、好中球数増加はあった。発熱の原因として、肺炎・尿路感染症・胆道感染症は否定的で、両側の副鼻腔炎の所見があるのみだった。

 頭部MRIの結果、脳出血や脳梗塞はなかったが、年齢を考慮すると萎縮していた。患者さんを診にいった。確かに呂律が回らないような話し方だった。

 右肩が痛くて上がらないという。それは整形外科的な問題だろう。右手の振戦を認めた。訊くと、箸を持っての食事はできなくなっているそうだ。

 少なくとも昨年から身体の動きが悪くなり、仕事もやめていた。歩くと前に突進する傾向があり、転倒して額を打撲したこともある。両側上肢に鉛管様の筋強剛を認めた。

 どうやらパーキンソン病のようだ。時間外になっていたが、神経内科医に相談した。確かにパーキンソンでいいが、認知症の問題もあり、病型はすぐには確定できない。

 発熱があるので、パーキンソンの薬(レボドパ製剤少量で開始)は指示するので、内科入院で診れくれと言われた。翌日病室に行くと、座位になっているせいか前日よりは話し方は少しいいようだ。

 搬入時に家族が来ていなかった。後で妻の話を聞くと、数年前からしだいに身体の動きが悪くなっていた。年単位でしだいに身体の動きが悪くなっていたのに、そのまま放置していたことになる。それで受診していないというのは、認知力低下も同時に起きていたからなのだろうか。家族の対応も?だが。

 いかにもレビー小体病という症状はなさそうだが、病型的にはそうなるか。

 

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尿路結石・急性腎盂腎炎

2021年03月12日 | Weblog

 水曜日の午後に、関節リウマチで当院の整形外科(大学病院からリウマチ専門医が来ている)に通院している88歳男性が発熱で受診した。メトトレキサート・プログラフ・プレドニンを内服しているのでかなりの免疫抑制状態になる。

 発熱外来担当は外科医だったので、新型コロナウイルスとインフルエンザの抗原検査の陰性を確認して、内科の若い先生に診療を依頼していた。

 血液・尿検査と胸腹部CTが行われた。白血球23200・CRP10.8と炎症反応の上昇を認めた。尿検査は沈査で赤血球10-19/HPF・白血球50-99/HPF・細菌3+だった。

 画像では肺炎はなく、左水腎症と左尿管結石を認めた。結石は自然に落ちそうもないくらいだった。

 どうしましょうかと相談された。尿路結石による閉塞性腎盂腎炎なので、泌尿器科救急になる。地域の基幹病院泌尿器科に連絡してもらうことにした。

 閉塞性であることと、免疫抑制状態にあることを強調して伝えるようにアドバイスした。幸い受け入れ可能で、救急搬送となった。他に搬送できる泌尿器科のある病院としては、遠方の赤十字病院や県内有数の市立病院になり、受けてもらえる保証はない。一番近い病院で引き受けてもらえてよかった。

 

 特別養護老人ホームでクラスターが発生して、関係者のPCR検査が続いていた。断続的に患者が発生しているために、保健所の指示でもう1回PCR検査を行うことになった。当院で1日20人ずつ検査を行い(一人で対応)、基幹病院ではその倍の数のPCR検査をすることになる(複数で対応)。

 消防の集まりの参加者にCOVID-19の患者が混じっていて、地域の消防関係者のPCR検査を一斉に行うことにもなった。県内の患者数が増えている。

 

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