火曜日内科の先生が当直の時に、午前0時過ぎに心不全の増悪の96歳女性が救急搬入された。(昨日記載したお風呂で溺水の患者さんの後)
もとも当方が高血圧症・大動脈弁閉鎖不全兼狭窄症・うっ血性心不として外来で診ていた。昨年12月から入院して、2月15日に退院していた。
心不全の増悪で時々入院して、内服利尿薬の調整で治療していた。大抵はサムスカを短期間内服してもらって、軽快すると中止するということが多かった。増悪時は酸素飽和度が軽度に低下するが、肺うっ血・浮腫は目立たず、胸水の増加だった。
認知症があるが、自宅生活を希望していた。妹が入所した施設(高級な老人ホーム)に誘われていっしょに入所したが、気に入らず数日で自宅に戻ったころもあった。
近所の人が病院への送り迎えをしてくれて、時々自宅を訪問してくれていた。親切心でやってくれていたが、患者さんは送り迎えの時にタクシー代替わりに1回5000円を渡すことにしていた。
兄弟(当地に弟がいる)とは仲が悪く、ケアマネージャーとも折り合いが悪い。近所の人(60歳代女性)をもっぱら頼りにしていた。いつも病院に連れてくるので当方とも顔なじみになった。
昨年12月の時は、その人が、「外出すると自宅に戻れなくなる可能性があり、寒くなるので心配」として病院に連れてきた。社会的入院として、施設入所の相談をすることにした。
今回は自分から施設に入所すると言うようになり、近くの施設を希望した。そこは人気がありすぐには入所できないので、市内の病院が経営している施設にショートステイ入所となっていた。(ロング?のショートステイという形)
その日は急に呼吸困難になって、救急要請された。当院にかかりつけなので、搬入依頼があった。心不全の増悪と判断され、酸素10L/分を要する重症だったので、地域の基幹病院にお願いしてほしい伝えた。
連絡してみたが、超高齢ということで?、断られたそうだ(正確な事情はわからないが)。結局当院に搬入されたが。これまでのような単なる胸水増加ではなく、肺うっ血・浮腫があった。(一番右は退院時の胸部X線)
少なめの点滴とフロセミド静注とパンプの点滴静注で翌朝には酸素5L/分まで下げることができた。翌日の午前中に病室に行くと、息切れはしているが会話はできる。
普段診ているので(担当を)代わりますよ、と伝えた。当方がコロナに診療で大変でしょうから、そのまま診ますと言われた。(入院時に、病状悪化時はDNRになっている)