Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ウィンピー ハンバーガー

2013-10-22 17:07:00 | Cabin Pressure


「as astonishing as when you go into a motorway service station and see they’ve still got a Wimpy /高速のサービスエリアにウィンピーがまだ残ってるのと同じくらい驚くべき」

これは、赤字会社であるMJNエアーが生き延びてることのたとえをキャロリンみずから語った、「クリスマススペシャル/モロカイ」エピソードの台詞です。和訳の中に写真を貼っておきましたのでお分かりになった方も多いですね!ウィンピーとはイギリスのハンバーガー・チェーン店で、「裏切りのサーカス」に出て来たように、70年代まではありふれた存在だったのです。ところが80年代にマクドナルドやバーガーキングに押され、減少の一途をたどっているので、キャロリンに言われてしまうのです。


こちらが最後の1軒となった高速サービスエリアのWimpyレストラン

私が初めてロンドンへ行った80年代にはロンドン中心地にも確かあったのです。どこにあったのかは覚えてないけれど、ネットで検索もできない時代に、Wimpyはイギリスのハンバーガーという認識はあって、所変わって東京は新宿コマ劇場まわり(今はないのかな?)のミニシアターで、ロックバンド、ザ・クラッシュが出ていた「ルード・ボーイ」という映画を見た時、ロンドン気分でその映画館の下にあったWimpyでハンバーガーを買った覚えがあるのです。今映画を調べたら、日本公開は1987年。だからその時点では日本にもあったんですよ!!(Wikiによればなんと日本初の海外産まれのハンバーガーチェーン店だったそうです)

1977年生まれのジョン・フィネモアもまだかろうじてウィンピーがマックとキングに塗り替えられる過渡期を体験しているでしょうね。そしてMJAでも1番年上のキャロリンが言う事で、そのWimpyという響きに古き良きイギリスへの懐かしさと、こんなにメジャーブランドにやられてるのに、なぜかかろうじて生き延びてる可笑しさと愛おしさをそのままMJNに重ねられるのじゃないでしょうか。

ところで、レストランのウエブサイトでメニューが見られるのですが、なかなか美味しそうなんです。マーティンが時々自分へのご褒美に食べるジャケット・ポテトや、イングリッシュ・ブレクファストもありますよ。そうそう、今ここはカウンターサービスのファストフードではなく、テーブルで注文する、ちゃんとしたお皿にお料理が乗って来る形式のレストランです。



わー、これ美味しそう!

フリマで発見DVD

2013-10-19 20:03:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
フリマの発見と言っても、店を出すのに何か売り物はないかと家をゴソゴソしていたらでてきたDVDがこちらです。



こ、こんな在庫が我家にあったとは~~~?!

ジャングルブックはつい最近、キャビンプレッシャーのトリビアとして「キップリング原作だけど見たこともないマイナーなディズニー」と書いたばっかりで、いやはや、灯台下暗しでした・・・・(大汗)

そして「ワールズエンド」をブログに書いた時も「シリーズまったく知らなくても楽しめた!」とだけはハッキリ書いたんですよね・・・我家の棚にコレがあったとも知らずに・・・

そしてワールズエンドのまるでオヤジギャグのようなタイトル「ハワーズエンド」。わーん、ごめんなさい~、せめてパレーズエンドの駄洒落ならまだしも・・・ゴホゴホ。アンソニー・ホプキンズにエマ・トンプソン、ヘレナ・ボナム・カーターと出演は豪華なのですが、お話は地味~なこの映画、好きなのです。こんないいDVDが2005年のTHE SUNDAY TIMES付録について来てたのですね。1992年の映画なんだけど、13年後ですでにイギリスの新聞は無料で読者に提供できるのはなぜなのか詳しいことはわかりませんが、日本の新聞もぜひ見習ってもらっていいですのに!




ロンドンの制服

2013-10-18 16:44:00 | イギリス


この週末、子供のMがフリマをするので手伝うことになりました。
売り物はもう着られなくなった服がメインで、その中にロンドンの学校の制服カーディガンが出て来て、明日売れたらもうお別れか・・・と写真に撮っておきました。

懐かしさついでに検索してみたら、ちゃんと出て来た学校のウェブサイト。このカーディガンを着た子供達の写真も見られます。ロンドン市長のボリスが訪れたらしい写真もありました。わお。カトリックの公立校です。コベント・ガーデンという便利な場所でした。事情でここには1学期しか通わなかったのですが、私にとって子供の初めての学校なので思い出深いです。

このグリーンのカーデに合わせるアイテムはグレーの、男子はズボンで女子はスカートまたはジャンパースカート。スカートの形は何でも好きなものでよく、デパートやスーパーの制服コーナーに行って購入します。Mにはジャンパースカートを1着とプリーツスカートを1着買いました。

それ以外のアイテムの決まり;
・白のシャツか、学校のエンブレム入りの白いポロシャツ
・グリーンのレジメンタルネクタイ
・靴は黒の革靴または合成皮革の靴/ブーツや運動靴は通学には禁止
・ソックス&タイツは白、またはグレー、黒
・女子は夏には緑のギンガムチェックのドレスもよい
・運動する時はTシャツやトレパンは自由/靴は上履きみたいな布製の靴

これ、暗記してました。元アパレル業界人ですから。

学校のエンブレム入りの服とネクタイ以外はどこで買ってもよく、またこういう制服は似たようなのが各学校で決められていて制服売り場には、スカートやズボンはグレーや紺が各アイテム数種類、カーディガンやトレーナー、ギンガムのドレスは赤、ブルー、紺、緑、ボルドーあたりが揃っていました。靴も学校用コーナーだけでもデザインが色々と揃っており、底はゴム製で動きやすく、丸洗いできるものもありました。制服用に作られていても女子用のブラウスではボタンがお花やハートだったり、胸に白いワンポイントの刺繍が入っていて、でも生地と同じ色なので大丈夫なのです。スカートもプリーツの幅も色々、台形のひだなしとかギャザー入りとかマイナーなバリエがあるけど、学校の規定どおりに色を揃えるとちゃんと統一がとれているのですよね。

ポッシュな学校ですと、スクールブレザーにおしゃれなエンブレムが着いててお値段も相当なものですが、普通の公立校の制服は、値段もかなりかなり安く、どんな所得の家庭でもOKで嬉しかったです。子供用品には、VAT(消費税)もかからないのでさらに庶民の味方です。

ちなみに平民の高級品マークス&スペンサーでは、オンラインで全国の学校制服に対応していました!すごい!



このような環境から日本へ引越しました。
こちらでも地元の公立校には制服があるのですが、その入手ルートは地元のデパートのみで、素材はポリエステル100%じゃなくてウールが50%ミックスされてはいるのですが、子供のジャケットが約10000円、スカートが約5000円、イニシャル入りブラウスが2000円だか3000円にビビって私は一気に自分が貧民のような気になりました。いや、貧民なんだ。。。。小学生の毎日の服ですよ、図工で絵の具はつけるし、ジャケットだってぐちゃぐちゃにランドセルに突っ込んで帰って来るし、給食はこぼすし、何と言っても成長期。私は制服大好きなので制服のある学校で嬉しかったけど、値段と1店独占販売は好きじゃないなあ。。。



ターキッシュ・ディライト

2013-10-16 16:44:00 | たべもの


先週末は、ロンドンからのお客様Aちゃんがいて、私のお土産天国は続いています。ケーキを個人輸入してくれたTちゃんとは別の友人です。このターキッシュ・ディライトは、Aちゃんがロンドン→マドリッド→イスタンブール→成田というルートで来たためのサプライズでした。

このお菓子と言えば「ナルニア国ものがたり/ライオンと魔女」で氷の魔女にエドマンドがそそのかされるシーンを思い出します。



私がこのお菓子を知ったのは2002年あたりのロンドンでした。私はもっと前に1人でロンドン暮らしをしたこともあったけど、その時はイギリスのお菓子だけでもまだ食べ尽くしてなかった感があったので、トルコのお菓子まで手が回ってなかったのですね。それで夫も一緒のロンドンで初めて食べる機会があったのです。たぶんその時も友人のお土産にいただいて、でも初めて食べた感想は「Delight=歓喜」と言うほどのものとは思いませんでした。ところが、一度その存在を知ってしまうと、高級デパート/セルフリッジズのグルメ・デリで量り売りコーナーにも目が行ってしまい、さすがにそれは美味しかったのです。

その後、誰かが娘にプレゼントしてくれたナルニアの本を、本人まだ0歳、私が読むか、と絵本をパラパラしていて出て来たのがそのお菓子だったので、その時の私には「あのお菓子だ!」とわかって嬉しかったのを覚えています。

これが私の数少ない「ターキッシュ・ディライト」体験で、いつも言ってるように、私の文学の知識はとっても狭いので、私が読んだ本に出て来たくらいだから、きっと他の文学や映画にも出て来てるんだろうなーと思っていたのですけど、さっきウィキを読んでびっくり、このお菓子が登場するフィクションとして挙げられていたのは「ナルニア」だけでした。しかも、Wiki英語版の方には、2005年公開の映画「ナルニア」の影響でターキッシュ・ディライトの売上げ上昇とさえ書いてあります(!)たぶん、この時、日本にもこのお菓子が広まったのではないでしょうか?と言うのも、原作本の方の翻訳は、日本の子供に馴染みがないという理由で、お菓子名が「プリン」だったとも書いてありますから。

イギリスの子供でさえ夢中になる珍しいお菓子、今から50年も前の日本では、説明のしようもなかったのでしょうね。いい時代になったな~。ご馳走さまです。



10/17追記
トルコは文化的には東洋に分類され、イギリスから見てもエキゾチックな遥かな土地ですが、ギリシャのすぐお隣で、私達から見ればヨーロッパに近い国と言う気がします。
スウェーデンの店IKEAはデザインを自国で生産をコストの安い国でしていますが、私達ロンドンで買ったお気に入りの食器があって、それを引っ越す時にまた日本のIKEAで買い直せばいいやと置いて来たんです。そしたら、同じ品番のお皿でも、ロンドンで売ってるのはトルコ製、日本で売ってるのは中国製だったのです。日本の店には近い工場から納品してコスト対策しているのでしょうけれど、夫は品質はトルコ製の方が良かった!とプンスカしております・・・
それから地理的にヨーロッパに近いだけあり、民族的にもトルコ人には金髪で肌の色の白い人もいるんですよ。しかしヨーロッパでも南のイタリアやギリシャの人達はダークな人も多いのに、どこから来た人達の子孫なのか・・・やはり西洋と東洋の真ん中の、どこから見てもエキゾチックな国です。

ガンガ・ディンbyキップリング

2013-10-15 08:59:00 | Cabin Pressure
キャビン・プレッシャーのKuala Lumpurでは特にこれは書いておきたい!というトリビアは最初なかったんですが、「パイロットラウンジが必要だ!」というマーティンの主張に答えたキャロリンの台詞の引用が気になってました。

CAROLYN: Martin, if you can find an empty room on the airfield, you are welcome to sit in it; and if you can lure Douglas in and then keep him there long enough to read a paper at him, you’re a better man than I am, Gunga Din. Close the door on your way out. マーティン、もし飛行場に空いてる部屋を見つけたら、どうぞ中に入って座っていいのよ;そしてもしダグラスをおびきよせられたら新聞を読んであげる間彼をそこに座らせて。あなたは私より上等だ、ガンガ・ディン。ドア閉めてってね、出てく時は。(ガンガ・ディン=キップリングの詩/その前の台詞も詩より引用)

しかし実はキップリングという作家も「ガンガ・ディン」という詩も、植民地時代の人種差別の匂いがして、あまり近寄りたくなかったのです。ですのでこれ以上追求しないでスルーだわ・・・と思っていたのですが、ちょっと前のThe Economist/INTELLIGENT LIFE誌がニール・ゲイマン(ネヴァーウエアの原作者)を表紙&特集にしてたので眺めていたら、



下から3行目にキプリングを多大な影響を受けた作家としてあげているではないですか!そこで少しはキャロリンが引用した文のことを知りたくなりました・・・^^

まず作者はラドヤード・キップマン、ゲイマンが多大な影響を受けたのはおそらく代表作「ジャングル・ブック」を含めた児童文学でしょう。雑誌にも「16歳までに読んだものには良くも悪くも文学的影響を受ける」と書いてありますし。この人、ノーベル文学賞を受賞してるし、辞退こそしたけどイギリス桂冠詩人と爵位も打診されていた、非常に評価の高い作家です。でも日本ではキャロリンが引用したガンガ・ディンでさえ名前も聞いたことなかったのは(私だけ?)ばくっと言えば、大英帝国植民地時代の有色人種蔑視の思想を唱えた作家とされているからでしょう。

おそらくこの頃のヨーロッパの非白人人種に対する感覚は、地球が丸いと証明される前にこの世は平で海の縁から水は宇宙に流れ落ちていると信じてた人みたいなもんだと思います。特に植民地政策なんて白人以外は劣っているから啓蒙が必要だと理論武装せねばできないし。


ディズニーで有名になった「ジャングルブック」だけどストーリーも知らなかった。ちょっと調べたら動物に育てられた人間の子供の話。台詞の英語が、動物達は完璧なイギリス英語を話すのに少年は植民地訛りらしい。そして少年は動物にも人間にも帰属できない葛藤をかかえるらしい。

回り道しましたが、「ガンガ・ディン」です。ストーリーのある詩で、19世紀インドが舞台、イギリス軍兵士の話で、ガンガ・ディンとはインド人の登場人物の名前。1939年にハリウッド映画にもなっており、allcinemaによると、「インディ・ジョーンズ/魔球の伝説」にも影響を与えた冒険映画とあります!!うわー、ここで →ハリソン・フォード → ベネディクト・カンバーバッチ、と回って終わりになってしまいそう~
いや、話が終わってない。
ガンガ・ディンは控えめな東洋人らしい男で、イギリス兵には真っ黒だのニタニタしてるだの制服がボロいのとバカにされながらも、宝探しの冒険で勇敢な戦いを見せ、最後には自分の命を犠牲にしてまでイギリス人のために立派な行いをしたので、ついには「 you’re a better man than I am, Gunga Din. 」という評価を得て物語が終わります。(東洋人の自己犠牲に感動する話ってミス・サイゴンみたいで私はあまり好きじゃない)そうです、本来は、見くびっていた奴を見直したぞ、おい!という発言なのですが、これは詩の最後の1行として映画の名台詞として独り立ちして有名になってるので、キャロリンがマーティンに向かって「そんなにパイロットラウンジが欲しくば、自分で作ってダグラスに新聞読んであげなさいよ!あんたは上等なんだから(できるでしょうよ)!」と使われてしまったのですね。

キャロリンは元の詩での意味は無視してたのか、と少々がっかりな結果でしたが、この詩と作者を調べて感じたのは、イギリスの児童文学には冒険ものが多く人気と評価も高いなあ!ということ。既にご存知の方々、そんなことに今頃気づいたの?と思われたらすみません。

エニッド・ブライトン冒険シリーズ
英語圏では冒険もので有名でも日本では「ノディ」くらいしか知られてないようです。でも昭和62年発行の和書を私は持っていて、出版はされたけど、売れなかったということですか・・・

特に、植民地時代には、その冒険が現実となって、世界中にイギリス人は実際に出かけてますけど、冒険もののフィクションが先なのかそれとも7つの海を渡った海賊の時代からある世界への野心か、どちらが卵なんでしょう。そして児童文学のみならず、詩という芸術でも、クリスティなどの娯楽探偵小説でもイギリス人はエキゾチックな土地を目差して・・・・

「The Lost City of Z/ロスト・シティZ」のような旅にも出ちゃう!これまた「インディー・ジョーンズ」のモデルとなったとされてるイギリス人冒険家の伝記。しかも既にベネディクト・カンバーバッチ出演ってIMDbに書いてあるし。

私達には帝国主義とか民族迫害の歴史に見えることも、当事者にとっては、結果としてそういう一面もあったが、彼らの目に入って心に残ってるのは、勇敢なイギリス人が広い世界を冒険した物語なんですね。冒険家は権力や財宝の富よりも、冒険や夢そのものを愛してるんですしね。ニール・ゲイマンが、ベネディクト・カンバーバッチが少年時代にわくわくしたものは、そういうものって思っていいですか?