「草原の輝き」人の心は変わらない、この名作で再確認

「草原の輝き」★★★★★オススメ
ナタリー・ウッド、ウォーレン・ビーティ主演
エリア・カザン監督、1961年アメリカ

初恋は実らない。

お互い将来を誓いながらも
ちょっとした行き違いと、親の反対などで
引き離された二人。

ディニーは精神をおかしくし、二年半の入院生活を終えて
懐かしい我が家に戻ってくる。
自分の部屋の鏡の上の壁が白くなっている、
そこにはずっと好きだったバッドの写真を貼っていたからだ。

心がおかしくなるほど好きだった人に会いに行く、
眩しいような真っ白の服につばの広い帽子、
バッドを見上げたときの輝くような美しさは
高校の時の無邪気な可愛さとは違っている。

この映画は東京にいた頃、2本立てで見たもの、
たぶん「ウエストサイド・ストーリー」を見に行ったついでの
一本だっただろう。

すごく大切な映画に出会ったと思った、
ここには今の映画の原型がある、
そして人の心の動きは、今ならちょっと典型的すぎと
映るかもしれないが、
そんな皮肉な見方はやめよう、
もっと純粋にただただ物語の世界に浸りたい。

できれば愚痴を言わないように生きたい、
それよりももっと前向きでいたいからだ。
「あの時」を悔やんでも過ぎてしまったこと、
今をどう過ごすかが、本当の価値を決めるのだろう。

ー草原の輝きも花の盛りも、
戻っては来ない、
だが嘆くのはよそう、それよりも
今を強く生きることだー

映画の途中とラストにワーズワースの詩の一部が引用される。
でこぼこの道を大好きな人の家から去っていく車、
なんでもないシーンだけれど、大好きなシーンだ。

人は何気ないけれど、大切なシーンを重ねながら
強くしなやかに生きていくのだろう、ＷＯＷＯＷで録画して
久し振りに再会した。

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