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書籍「神様のカルテ」奇跡は時に何でもないことのようにひっそりと起こるのだ

2010-04-06 11:00:35 | 読書の時間
書籍「神様のカルテ」★★★☆
夏川草介 著、小学館、2009/9/1初版(2009/11/15第四刷)




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2010年本屋大賞ノミネート作品、発表は4月20日
このほかに「1Q84」「猫を抱いて象と泳ぐ」「ヘヴン」など

「本のカバーの裏の感想には
心が洗われる、だとか
人生観がかわりました、だとかの
自分にとっては胡散臭く感じる言葉が並んでいる、
でも評判のいい本なので読んでみた」



舞台は信州松本、24時間365日対応を掲げる
病床数400床あまりの本庄病院、
主人公は内科医で勤務5年目の栗原一止(いちと)医師、
とにかく休む暇もない慌ただしい毎日が描かれている。

主人公が「よかろう、気にとめておこう」などと
話し言葉が古臭く違和感があるが
読んでいくとそんな言葉使いも含めて
主人公の仕事に欠ける真摯な態度が伝わってくる。


慢性的な人手不足、そして救急患者の受け入れ
自分たち外部の人間が想像するより
現場は過酷そうだ、
しかも人の命を預かる仕事だ、
こんなことでは駄目だろうなぁと
素人でも分かる、それほど疲弊している現場。

それでもこの病院が「奇跡」の存在なのは
そこで働く全ての人々が
自分の職務を全うすることに
力を抜かずただ真っ正直に取り組んでいることだ。


それはしごく当たり前のことだ、
自分の仕事に真面目に取り組む、
誰だってそうしたいと願い
自分の力を注いでいる、
でも実際はそれはそう願っていることで
日常は繰り返され、時にやっつけ仕事のような
手抜きの業務をこなすこともあるだろう。

この小説はそのあたりの配分がうまいので
嘘くさくならず、
自分のような懐疑的な読者もしっかり
納得させてくれる

命の現場にともる光、
その光に誘われるように集まる患者たち。

とても優しくそして尊い物語だった、
主人公の妻や隣人も魅力的で
一気に読んだ、
人にも勧めたい本だ。


★100点満点で80点


soramove
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本屋大賞の発表が近いが「猫を抱いて象と泳ぐ」が受賞すると嬉しいな。


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