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映画「息もできない」圧倒的な暴力でも打ち破れないもの

2010-04-22 00:09:16 | 韓国映画・アジア映画
「息もできない」★★★★★満点
ヤン・イクチュン、キム・コッビ、イ・ファン 主演
ヤン・イクチュン 監督、130分 、
2010年3月20日公開、2008,韓国,ビターズ・エンド
(原題:Breathless/똥파리クソ蠅 )




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「予告編を見たときから期待していた作品、
映画の帰りに前売り券を買って楽しみにしていた、
これが初監督、初主演というヤン・イクチュンの
活きの良い映画は期待通りの出来だった」


「お前は殴られてばかりでいいのかよ」

きっと主人公サンフン(ヤン・イクチュン)も
かつては殴られて、底辺を這いつくばって来たのだろう、
そして今は殴る立場になって
友人の下で借金の取り立てで暮らしている。

圧倒的な暴力、
そこには感情は見られない、
その無表情が余計と怖い、
でも殴りながら瞳の奥が泣いている、
それは深読みのしすぎか。

ここには仕立てのいいスーツのイケメンも
長いストレートヘアーの美人女優も登場しない。

狭い路地の奥の奥、
ドアを開けたら生活の全てが見渡せる狭い部屋、
その場所から出ていくことでしか、
新しい生活は望めそうにないのに、
家族にしがみつくような暮らし、
流れが止まったどぶ川のような閉塞感が、
絶望という言葉の本当の意味を呈示する。



暴力描写が多い割に、直接殴るシーンは少ない、
ほとんどは殴る側を写して
見る者の想像で、惨いシーンを作り出している。





ラストは予想がついたけれど、
その予想の通りにならないようにと願った、
けれど殴るものはいつか殴られる
それは仕方ないこと。

まさに息もつけないほど、濃密な時間、
久々の韓国映画の傑作を見た。


自分たちは日々ここに描かれたような
暴力から出来るだけ遠くにいられるように
気をつけて暮らしている、
けれど心の中には出口の見えない
暗い感情が少しづつ積み重なっている。
そしてそれを殴ることで爆発出来ないから
何かをすり減らしているのだ。

ラストの血だらけの主人公の顔のアップ、
むごたらしいけれど、ゾッとするほど美しかった。

これがオレの生き様だと笑っているようだった。


★100点満点で満点!★


soramove
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どこにも共感できないのに、何故こんなにも惹かれるのだろう。
韓国での観客動員数は約14万人余り、
ヒットには至らなかった、
ただ評価は高かったので次作に期待。

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