HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

パーツ探しは楽しい。

2017-07-05 06:36:11 | Weblog
 7月に入った、博多の街は山笠週間に入り、賑わいをみせている。昔からフィナーレの追い山(7月15日)を迎えると、梅雨が明け本格的な夏が到来すると言われる。ただ、今年は梅雨に入ってもそれほど雨が降っていない。4日は台風の影響で一時的に降雨が激しかったが、梅雨晴れの日は気温が30度近くになる。汗かきとしてはいちばん嫌な季節がやってくる。

 ところで、暑い夏で欠かせない水分補給。筆者はロケはもちろん、車や電車で移動する時も、とにかく水やお茶を飲む。大半がペットボトルなのだが、500mlでは量的に少なく、生温くなると飲む気がしない。そこで、移動時にはなるべくペットボトルごと凍らせたものをホルダーに入れ、携行するようにしている。

 これなら、少しずつ溶けていくので喉を潤す程度に飲めるし、3〜4時間で完全に解凍しても、ほぼ冷たい状態で飲むことができる。そこで問題なのがペットボトルをどう携帯するかだ。以前に使っていたスウェーデンデザインの「Unit Portables Shoulder Bag」は背面側に雑誌や新聞などを差し込めるポケットが付いていて、ここにペットボトルがホルダーごと収まった。脹らんで見てくれは悪いのだが、移動中でも両手が空くので非常に重宝した。

 それを7〜8年使って劣化したので、再購入しようと思ったが、すでに廃番になっていた。似たものを探すものの、機能とデザインを両立させるものがない。もともとメンズのビジネスバッグはブリーフケースの延長線で、機能優先になっている。デザイン性と両立させるのは難しいようで、どれも持ち手や肩掛けのストラップが付いてファスナーで開け閉めする形状になる。差別化にはブランドで仕掛けるしか手がない状況だ。

 ただ、ステファノマーノやオロビアンコ、フェリージは、いかにもブランドという感じだし、トゥミや吉田カバンなど一部を除けば、ブランド物もバッグメーカーが作るOEMで、個性的なデザインはほとんどない。それどころか、最近のブリーフケースはノート型PCやi-Padが入れば事足るように設計されているものが多く、「まち」が薄くなっている。全体的にペチャっとした感じなのだ。

 ビジネスがIT化したせいで、余分な書類を持たずに仕事ができるのは良いことだが、ペットボトルが入らないのは、時に不便さを感じる。リュックサックを使えばまちも厚いし、アウトドア向けはホルダーも付いている。しかし、ファッションスタイルが違ってくるし、クライアントとの打ち合わせに携行するのは失礼だ。ギリギリの選択がショルダーバッグになる。もちろん、袈裟懸けしたまま、企業に出向くことはない。

 そこで仕方なく購入したのが「Fits MacBook 13.3対応のショルダーバック」である。これだけ持てばスタイリッシュなのだが、ペットボトルを中に入れると、PCやダイアリーが入らない。おまけに凍らせたペットボトルだと、結露がホルダーから滲み出てバッグの中が濡れてしまう。



 そこで考えたのが、「ナスカン」を利用し、バッグのストラップにつり下げるアイデアである。筆者がショルダーバッグを使うのは両手がフリーに使え、メモを取ることもスマートフォンを使うことも、写真撮影も楽にできるからだ。購入したショルダーバッグのストラップ幅は38mm。この幅に対応できるナスカンを東急ハンズ、DIYのハンズマン、アマゾンなどで探しまわると、どうやら規格サイズのようで、金属製や樹脂製のものが市販されていた。



 以前に使っていたUnit Portables Shoulder Bagは、ストラップにナスカンが付いていて、このフックをバッグ本体のDカンに取り付け、吊り下げる形状だった。ナスカンは本来そういう使い方なのだと思う。今回はこれをストラップに後から取り付け、下がったフックにペットボトルホルダーのDカンを吊り下げるアイデアである。
 
 これだと、ペットボトルの重みでそんなに揺れ動くこともない。バッグの外だから、凍らせた結露が滲み出てても、内部に影響はない。何度か試してみたが、服が濡れることも皆無だった。惜しむらくは片方のストラップがバッグに縫い付けてあるので、ナスカンが分解できる金属製しか使えないこと。バッグはポリエステル素材で、色や素材感を合わせるには「樹脂製」の方がいい。

 また、ホルダーまでバッグの色と合わせると、やはり黒の無地がいい。ホルダーはもともとノベルティライクであったり、100円ショップに売っているようなシロ物だし、本格的なアウトドア系は紐なんかが付いてゴツい。ボトルの口をひっかける簡易的なホルダーもあるが、これだと昔の徳利紐とさして変わらない。ストラップの端は糸で接合してあるので、それを解けばナスカンをそのまま通せるから、暇な時にホルダー作りと一緒にやってみることにする。とりえず、この夏は金属製で我慢することにしよう。



 それにしても、YKKはナスカン一つをとってもいろんな商品を開発している。(http://www.ykkfastening.com/japan/product/pp/snaphooks.html)バッグメーカーなどのあらゆる商品企画に対応するためだろう。それにはフックが360度動くもの、正面向きで前後のみ動くものとがあり、ストラップ幅も20mm、25mm、30mm、38mm、50mmとバリエーション豊富だ。プラスチックパーツでは、着脱式のバックルなんかも充実している。だから、ヨウジヤマモトやY-3がベルトとバックルを巧みに使ったジャケットやバッグを企画できるのだと思う。

 パーツは東急ハンズに行けば、ある程度のものはその場で入手できるが、プロ向けの規格品が充実しているYKKにはかなわない。実際にパーツを購入して、DIYに活用するのは実に楽しい。今回のようにうまくいくと、仕事上でもいろんな企画のアイデアが湧いてくる。仕事のカテゴリーはあまり広げたくはないが、アパレル含め建築やグラフィックに携わる人間が喜ぶ機能性とデザイン性を併せ持つバッグくらいは、企画開発してみたいものである。

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