間借りすることになったそのボロ家は、借地に建っている
主人公の僕は世間知らずの貧乏画家
家の持ち主(不破)とは、同乗していた都電でひょんなことから知り合う
知り合ったばかりの、不破の家に行くことになって、そのまま間借り人になる
しばらくすると、不破夫婦は墓参りに他県へ旅行すると言っていなくなり、とうとう帰ってこなかった
そこへ、不破からこの家を買ったという野呂が、家財道具を大八車に積んで引っ越してくる
こうして野呂との同居生活が始まる
この2人が、お金に関して簡単に支払ってしまうのにハラハラする
借家の権利金とか賃料とか、
上役に便宜を図ってもらう手数料を、口利き人に渡してしまうとか、
不破に貸した金の取り立て代わりに、ボロ家の権利は自分にあるという中華料理店主のいいなりに部屋代を払うとか・・・
背景は戦後の経済成長期が始まる頃
ワタシの子供の頃の日本の風景が見える
例えば、町内で一斉に大掃除する日が決まっていて、全戸で畳を上げて2枚を山形に立てかけて外に干す
その間に床を掃除して新聞紙を敷き詰め、DDTという粉を噴霧する
また、学校で配られる虫下しの事など
原作者の梅崎春生はこの『ボロ家の春秋』で直木賞を受賞している
裏表紙に
軽妙な語り口で市井の人びとの日常をユーモラスに書いた梅崎春生。
と紹介文がある
主人公僕と野呂の反発しあう心理や行動が面白い(^0_0^)