なれそめ ２

後にも先にも、買い物をするのにあんなに大枚一気に叩いたコトってない。
しかも当時は「カード」なるものに何故かアレルギーがあって。
全て　ニコニコ現金払い　だった。

仔猫を迎えるにあたって、まず私は「育猫書」を購入。
それに従って、必須グッズを買い漁った。

　キャリーバッグ
　トイレ
　トイレ砂（猫砂とも言う）
　ゴハン・水皿
　首輪　　　　　　　　　　　　　e.t.c.

トイレ砂とカリカリ（ドライフード）は、元々使ってたものを少量もらって。
徐々に新しいものに慣れさせていくことにした。

こんなに嬉しいショッピング（笑）は、本当にあれが生まれて初めてだったと思う。
寒々しかった部屋に、自分以外のイノチのための準備が為されてく。
きっかけに対する怒りよりも、喜びの方がはるかに大きかった。

そして当日。
最後に私はブリーダーさんに訊いた。
「寿命って、何年くらいなんですか？」
答えは「だいたい１０年かなぁ」だった。


私は、キャリーの中の仔猫に約束をした。


　　　お前の最期の瞬間まで、絶対、きっちり面倒みるからね。


イノチを背負った瞬間。
そして、私の「新しい暮らし」が始まった。