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『永沢まこと都市画展 -街の今を描く、ヒトを描く- 』

2015-08-26 09:07:35 | Go!Go! わたし ~鑑賞編~
空き時間にちょいと覗ける、吉祥寺美術館のこの気軽さが実はとても貴重だと思ってる。

 『 永沢まこと都市画展 -街の今を描く、ヒトを描く- 』



吉祥寺は急激な観光地化に伴い、駅前を筆頭に大きく大きく様変わりしてる。
ここに描かれた中で、もう当の昔に閉店してるお店も多々。
とは言え「ハモニカ通り」に代表されるように、根を張って生きてる商店街もあり。

永沢まこと氏の描く「ヒト」。
海外でのスケッチはシニカルかつコミカルなのに、日本人は何故かものすごくシュールで。
それぞれの年代での文化・服装もさることながら、なんだろう、あの独特の感じ。



印象的だったのは、この展示の客層。
ご年配の方々ばかりだった。
みな一様に懐かしげに
「そうそう、ここはこうだったのよねぇ」「あの時はこうだったんだよ」と。
会話に耳を傾けると、吉祥寺に長くお住まいの方々ばかりの様。

そして思い出す。
駅直結のビルが「ロンロン」から変わったときのこと。
年配の方向けの衣料品店が、契約継続をしてもらえなかったのだそうだと耳にした。
「若い人向けのお店しかダメなんですって。私たちはどこで服を買えばいいのかしら」
ご婦人が寂しげに呟いた。

吉祥寺は元々、古くからある「住宅街」のはずで。
すっかり観光地化して、訪れる人たちのみをターゲティングして久しいけれども
そればかりになって、元来をないがしろにしていいはずないのになぁ・・・。

人を大事にしない場所は、最終的には人に大事にしてもらえないものだから。


そこに描かれているのは、比較的新しい「古き良き吉祥寺」でした。