高校野球と言えば

私の卒業した高校は、どっちかと言えば進学に重きを置いた学校で。
スポーツの部活ももちろんあれど、そんなに強いってコトはまずなかった。

そのはずだった野球部が、地区大会で快進撃をし始めた。たしか高校３年の頃。
おやおやと見ている間に勝ち進んで、気づけば次は準々決勝。
そうなると一部の生徒が俄然燃え始めた。
「みんなで応援行こうよ！」
これに対し、学校側は予想通りの消極姿勢。
結論としてけっこうな数の生徒が自主的に試合当日学校を休んで応援に行った。

私は、スポーツ観戦に全くと言っていいほど興味がない。
この当時からすでにそうだった。よってもちろん行かなかった。
一番の理由はこれだったんだけれども、実はもう一つ。
「ここでいきなりたくさんの人が応援に行ったら、負けると思う」
だって彼らは「応援団」に応援された経験など、一度たりともなかったはずだったから。

結局、野球部はその試合で敗退した。
学校を休んで応援に行った生徒は、軽微だったけどペナルティが課せられてた。
以降、高校の野球部の名前をちらりとでも耳目にしたことはない。


甲子園の映像を目にするたびに、あの応援の「群衆」の中での彼らは、いつもすごいと思うのだ。
本当に単純に、すごいと思うのだ。