浦川原の杉坪薬師に寄ってから、ふと大島区の板山不動尊に寄り道しようと考えた。ホワイトアウト気味の雪道の移動は骨が折れるが、雪に埋もれた石仏群に会いたくなった。駐車場から夏道ならわずか数分の道のりだが、谷を埋め尽くす雪の量に手こずった。腰までの雪をラッセルし、20分ほど。岩窟に近づいても3mを越す雪の下に、不動尊は眠っていた。左岸を落ちる不動の滝の音は、雪間に音を失って沢音とともに下流に落ちて静かだった。吹き出る汗を拭い、4、5mはある、岩窟の隙間から雪の急斜面を滑り降りた。
真新しい石仏の涎掛け
昨年の一月から瞽女ミュージアム高田にて展示中の「板山不動尊と瞽女」ジオラマです。