渓流釣りを始めてから五十年近く経つが、私の釣りは日本古来からの毛鉤釣り、テンカラである。テンカラは一本の竿に一本の糸、糸の先に虫に模した一ケの毛針をつけての釣りである。それに反して西洋式毛針釣りのフライフィシングは竿尻にリール をつけることで、糸の長さが調節できる釣り方である。双方虫を模した釣りという点では同じ釣方であるが、糸の長さが調節できるというところが大きな違いなのであるが、ではこの西洋式毛鉤と日本式毛鉤が大きくかけ離れた釣方かと言えば、毛針を介して魚と人の知恵比べ、という点では全く同一の観点であるので、最近の釣りは双方歩みよってお互いの利点を流用した釣り方を模索していると言っても過言ではないような気がするのである。そんなおり、友人でノンフィクション作家の小林照幸氏から「魚と人の知恵比べ」マークカーランスキー著が送られてきた。7月1日の日経新聞に書評を書いたというので、本と書評を紹介いたします。
私の本棚にはテンカラの本は邪魔なほどあるのだが、70過ぎての手習と、この本と格闘するのも楽しみである。
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