読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

きりはり画

2010年08月17日 20時33分07秒 | ■見る
水戸市の常陽史料館で開催中の展覧会を観ていきました。ご覧の通り、非常に印象的な展覧会のチラシに目が奪われ、会場に足を向けました。
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URL => http://www.joyogeibun.or.jp/index.html
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会場で、年配の男性に声を掛けられましたら、それが、作者の大越斉さんでした。お盆中であったためか、幸いに混んでいなかったので、大越さんご本人から、色々とお話をお聞きしながら観覧できました。
大越さんは、少年時代にバレエを習い、社会人になってから演劇活動に踏み込み、その後様々な舞台活動を重ね、更には書にも親しんだとのことでした。そして、きりはり画は、全く独自に考え出された手法で、様々な舞台関係のチラシを切り抜いて、キャラクターや俳優などの著名人のきりはり画を創作されているのでした。お聞きすると、制作は三時間ほどだが、テーマを決めると、その人物を最も的確に表す映像を選定し、更に、きりはり画での表現を考えるそうで、一年程度構想練ることもあるとのことでした。それでは「構想一年、制作三時間ですね」と冗談を申し上げると、「いゃ~、そうなりますね」と笑われていました。
それにしても芸が細かい。右上のチラシで、上から順番に見て行くと、三島由紀夫、吉永小百合、黒澤明、太宰治、寺山修司の各氏です。写真の画像に最も忠実なのは太宰治でしょうか。私が一番気に入ったのは吉永小百合さんです。スポットイトが当たった所が鮮やかに浮かび上がり、影の部分は、黒い台紙に何も張らず、そのままです。技巧的な作品が他にも何点かあり、そうした作品は山藤章二さんの似顔絵を思い浮かばせました。
細かい、神経の行き届いた制作で、近寄ってみると、十分に作品を練り上げているかが伺われました。大変に愉快な展覧会でした。
評価は4です。

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