松浦晋也著、ちくま文庫刊
アポロ計画の月着陸が10代の思い出として深く印象に残っています。
私たちの世代は、科学万能の雰囲気に浸って育ち、やがて公害問題などに直面し、科学が万能ではないことに少しづつ気付きました。
本書のスペースシャトルは、そのつまずきの象徴だったのかもしれません。
以前アポロ計画で使用された月着陸船の開発の物語を読みましたが、後継計画となったスペースシャトルの開発についても知りたかったので本書を手に取りました。
本書は、タイトル通りの内容で、スペースシャトルの失敗の原因を探り、足跡を辿っています。
何とも読後感が悪く、読み進めていても不快でした。
開発の経緯とその結果を知ることは良いのですが、著者の主観を大いに感じたからです。
他著者のレクサスに関する本を読んだ時も同じ印象を持ちましたが、どちらも批評家として論じていることが不愉快に感じてしまうのかもしれません。
高みから見下ろす視点で書かれており、失敗したことにも立派な志と懸命の努力があることの方が多いのに、そうしたことに対する敬意が感じられないからなのかもしれません。
是非はともかく、批評家的な内容は好まないので、本書を手に取った事が、私の間違いであったようです。
アマゾンのレビューを見れば、内容がある程度想像ができるので、今後は、疑わしい場合は調べてから手に取ることにしたいと思います。
なお、スペースシャトル計画の全容を知るには適当な書籍と思います。
また、国家の政策及び政治と技術との関係については、本書から学んだ事が多いと思います。
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○松浦晋也 ○スペースシャトル
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評価は3です。
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