読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

幻の大戦機を探せ

2011年11月01日 21時12分16秒 | ■読む
カール・ホフマン著、文春文庫刊
1960年に生まれたアメリカのフリージャーナリストの著作です。第2次世界大戦は、その初期に於いて日本とドイツの作戦が奏功し成果を上げましたが、圧倒的な国力を持つアメリカが、短期間に膨大な数の船舶や飛行機を製造し、ヨーロッパと太平洋に送り出しました。結局ドイツも日本も、国力と資源不足により、決定的な敗北を喫しました。
本書は、その第2次世界大戦で活躍した軍用機(「大戦機」というのだそうですが)のコレクションブームによって、大戦中に墜落などして世界各地に残っている機体をサルベージする男たちの物語です。何十万ドルもの資金を得てサルベージに取り組む男たちの執念は、欲望ではなく夢に由来するようです。事実、戦後の高度な技術によって作り出されたジェット機などには、何らの魅力も感じていない模様です。また、現代の航空ショーにあって、大戦機に観客は大きな歓声を上げるとのことでした。
本書の扉の写真は、キー・バードといいう愛称のB29で、戦後、アラスカから飛び立った偵察用の飛行機がグリーンランドの北部に不時着したものです。およそ50年後に、この機体を修理して、飛行させ回収しようとするのですが・・・。
その他に市井のコレクターや修理屋など、多士多彩の人々を紹介していますが、どの人々も、大戦機の魅力に魅入られた人々です。そうした人々が生活の糧として、サルベージや修理などの業が成り立っているアメリカという国の懐の深さに圧倒されました。
評価は4です。

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