
宇野重規著、講談社選書メチエ刊
大分前に、フランスの貴族出身の法律家が、アメリカを訪問し様々な見聞を得て、「アメリカのデモクラシー」という著作でアメリカの民主主義を分析し論じていることを知りました。
永らく頭の片隅に引っかかっていたので、本書を手に取りました。
著者はトクヴィルの研究家で、本書は、トクヴィルの生い立ちと思想遍歴を簡単に振り返り、その代表作である「アメリカのデモクラシー」の主要な論点を検討しています。
当時のフランスは革命後の混乱期にあり、貴族出身のトクヴィルは家族と親族の旧体制を当然視する中で、宗教的、思想的な苦悩を経て、アメリカの特異な政治制度や社会構造などを見聞し、フランスの旧体制が当然視する思潮と異なる民主主義の実践国としてのアメリカを分析し、その体制を成立させている諸条件と社会構造を分析しているとのことです。
難しいことを易しく解説していて見事と思います。
今日のアメリカの原点を理解する上で大いに役立つ書籍と思います。
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○トクヴィル ○宇野重規
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評価は5です。
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