ドナルド・R・キルシュ著、早川書房刊
生まれつき健康で身体に悪影響を及ぼす事をしなかった人、あるいは生まれつき虚弱な体質なことから身体を労って生きてきた人は例外として、高齢者が集まると、つい病気の自慢大会になり勝ちです。
私も遺伝的に循環器系の数値が悪く必要な薬を飲んできましたが、退職後は難病や癌の罹患を経験しました。
難病は、風邪などに決してならないようにと主治医に申し渡され、薬を一生手放せないながら、服用していれば日常生活に支障はありません。
そんなことから、薬の開発(創薬 下記リンク一つ目)を巡る諸事情や経過を12の章で紹介している本書を手に取りました。
傑作との評価が高いだけに、最後まで興味深く読みました。
数多ある薬の中から画期となる薬であって、創薬上、転換点となる物を取り上げています。
また、開発に関わった人々の略歴なども、ストーリーに必要なことに絞って、創薬の過程で紹介しています。
著者自身が創薬に携わっている研究者であることから、説得力と臨場感があります。
また、新薬が高価になってしまう理由が、副題の「成功率0.1%の探求」にあるのですが、読了すれば納得できます。
科学が進歩しても、生理作用に関する知見が、まだまだ限られていることから、成功率が低い状況は変わらないようです。
(既にAIによる可能性の有無の判定が行われているようで成功率が上がれば良いのですが・・・・)
特に代1章の「ピル」に感銘を受けました。
冒険小説を読むようなハラハラドキドキが止まらない、優れた著作でした。
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○創薬 ○ドナルド・R・キルシュ
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評価は5です。
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