向笠千恵子著、平凡社新書刊
本書は、鯖、ぶり、塩、鮑、昆布、醤油、鮎鮨、茶、砂糖、豆腐、唐辛子、さつまいもの12品を取り上げ、その食品が運ばれた道(街道)を辿り、往時を振り返りつつ、関係者や状況を取材しています。
読み始めてからしばらくは違和感があったのですが、その正体は、本書で取り上げた食品を使った料理の数々の食レポが非常に多いことでした。
それに気付いてからは、すんなり読めました。
もう一つの特徴は、食レポの感想が非常に凝っていて、語彙の豊富さ、多様さで、美しい言葉が沢山出てきます。それは美味しさの質を伝える努力で、一流の料理を美しく伝える手立てだと感じました。
芸人やタレントの内容のない食レポは見る気が失せますが、その対極にある例に触れることが出来ました。
多様な表現で大和言葉が美しい。
その一方で、期待していた食品自体にまつわる情報が少ないので、肩透かしを食らった感じです。
好みの問題かと思います。
---------------
○向笠千恵子
---------------
評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
〇カメラまかせ 成り行きまかせ 〇カメラまかせ 成り行きまかせその2
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます