読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

トチの実を食べる 縄文の常食を探って:ビデオ

2009年12月08日 19時49分06秒 | ■見る
第1集「日本の味のルーツを探る」第1巻
(財) 味の素 食の文化センター、(社) 農山漁村文化協会 企画制作
トチの実を食べる習慣があることは知っていましたが、いわゆるドングリを想像していたので、このビデオを見て、トチの実の大きさにびっくりしました。まん丸で直径2cm以上あるように見えます。トチの実は縄文時代の常食であったようで、その強いアクを抜く方法は、火による調理とともに食生活に革命を与えたとのことです。
本作では、岐阜県の山間部で、30年振りに再現した調理の様子を中心に紹介しています。制作は1983年3月なので、26年前のことです。よって、現時点から見ると、56年前まで食されていたということになります。
作り方は以下の通りです。
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●収穫しておいた実を袋に入れ土に埋めておく
●80kgのトチの実で、大人二日分の量が出来る
●掘り起こした実をヌメリが無くなるまで水で洗う
●皮が割れるまで、沸騰しない程度に、40分程度茹でる
●臼で砕く
●砕いた実を水に入れ撹拌し、篩を通して皮以外の実の溶けたものを、用意しておいた「布を敷いて大きなバットの形状のくぼみ」に流し込む
●余分な水は布を通して流れ去る
●別に用意した「渋柿の生の葉っぱを水の中で揉んで水に柿の葉のエキスを抽出しておいたもの」を、布の上に残った、ぬめった粘土状のものに振り掛けて混ぜる
●平らにならし、一晩水を掛け流しする
●翌日、表面部分を取り集め、その下の層は、引き続き水を掛け流し、同様に表層部から回収して行く
●回収したものを布に入れて、絞って水を取り除く
●水分を搾り取ったものは、さらさらした粉が幾分か水を含んだ状態で、これに、わさびや小豆、調味料(砂糖や味噌)などを混ぜで団子状にしてできあがり
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以上の手順をようやくすると、アクを抜いて食べるために、
茹でる => 砕く => 渋柿の葉のエキスを加える => 水に晒す
という面倒な作業を経ています。
登場した研究者によれば、トチの実のアクは水に溶け出さないので、このアクを除去できれば、他の食物のアク抜きは全部出来たはず、と語っていました。この手法では「渋柿の葉」が重要な役目を果たしているようです。
しかし、人間は食べるための努力は何とも凄まじい、と思い感動しました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/トチノキ
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評価は4です。

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