読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

最後の職人伝

2010年11月21日 19時38分26秒 | ■読む
塩野米松著、平凡社刊
全国の手仕事を、聞き書きを中心として紹介しています。登場するのは、秋田の藁細工職人、大阪の櫓櫂(ろかい)職人、大阪の爪楊枝職人、山形の座敷箒職人、大阪の簾職人、阿波の製糖(和三盆)職人の、計6篇です。
著者の塩野さんは、本書の紹介によれば「日本の職人、漁師、農民の生き方や教育法、技の伝達や職業倫理を追った著書の第一人者である。」とのことです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/塩野米松
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著者は、前書きで、なぜ手仕事が失われたのか、そして手仕事に潜む文化や哲学が失われることに対する哀惜の念が切々と記しています。手仕事が成り立つ社会の仕組みや考え方、価値観が、日本の近代化、工業化によって失われる結果、日本の行く末はどうなるのか、という問題意識を持ちながら、職人の世界を紹介しています。登場する職人のお人柄が伺えるその言葉を復元する技はが見事です。
評価は4です。

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