読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

プロジェクトX/運命の最終テスト -ワープロ・日本語に挑んだ若者たち

2011年02月19日 07時41分40秒 | ■見る
職場にワープロが導入された時には興奮しました。それまで、手書きで行っていたすべてのことが機械で出来ることに胸を躍らせました。当時は工事の積算をしており、積算の基礎となる単位辺りの施工費を手書きで作成し、ファイルして転用していましたが、材料などの単価が変わるとその都度書き直さなくてはならず、誠にしんどい作業でした。
職場に導入されたワープロは、管理部門に1台しかありませんでいたが、夜遅くであれば使えたので、一生懸命習得し、そうこうしているうちに、時分の部署にも同じ機会が導入されマッした。早速、ワープロで作成です。1ヶ月補で掛かって、それは綺麗な成果が出来ました。恐らくそれだけであれば、手書きの方が遙かに安くできたかもしれません。しかし、その後の価格改定や施工単位の所用人工などの変更にも簡単に対応出来たので、やはり大きな貢献となりました。
しかし、今の若い人はパソコンが当たり前なので、ワープロ専用機の衝撃は解りづらいかもしれません。しかし、その当時からワードプロセッサになじんだ人は、罫線をプログラムがどのように扱いかなど、コンピュータの話プロソフトに移行してからの体験を踏まえ、深く理解していると思います。私は、職場で導入されたのがシャープの「書院シリーズ」、その後自前で購入したのが富士通の「オアシスシリーズ」(何と親指シフトです!)、パソコンになってからは管理工学研究所の「松」からマイクロソフトの「ワード」と変化しましたが、それに平行した、NECの「文豪」やジャストシステムの「一太郎」も、止む無く使用していました。
思えば遠くへ来たもんだなぁ・・・。その年賀¥月に、随分とお金と時間を掛けたことか。しかーし、その日本のビジネスに一大半角をもたらしたワープロ専用機の働きは実に大きい。本作は、その開発に携わった人達の物語です。しかし、このシリーズでは、例外的に涙が出ませんでした。客観的に考えれば、追い詰められた男たちが逆転劇を演じたのですが、中心人物のキャラクタが実にユニークで、ごくまっとうです。深く静かに自らの思いを淡々と貫徹する。そうしたお人柄故に肩すかしを食らったように感じます。実際に成し遂げた業績は、本当に素晴らしい。最後のその人物が「人の世に役立つことが技術者の喜びだ」といった趣旨の発言をしています。私も、ちょっと軌道がずれていれば技術系に進んだはずなので、この発言に、非常にシンパシーを覚えました。こうした人が本当に偉大なのかもしれません。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/ワードプロセッサ
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評価は3です。

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