読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

日本の田舎は宝の山

2013年03月28日 20時07分10秒 | ■読む
曽根原久司著,日本経済新聞出版社刊
著者は長野県に生まれ東京の大学で学びますが,在学中の音楽活動の延長線上で社会に出ます。その活動を通してマネージャーを務めたりイベントを仕切ったりしたそうです。そうした自由な立場の活動の後,企画会社やコンサルティング会社に就職した後,自らコンサルティングの会社を立ち上げますが,バブルの崩壊を機に,会社を営みながらも山梨県に移住し,農業や林業に携わるようになりました。
そうして農山村部に溶け込みながら様々な分野で活動して行きます。たとえば耕作放棄地の人力による開墾に都市住民のボランティアを募ったり,小学生を対象とした農作業体験とキャンプなどの「こどもファーム」などを次々に手掛け成功させて行きます。
そうした活動が,次第に周囲の閉鎖的な環境にいる人達を動かし,ネットワークの輪が広がって行きます。その途上で「えがおつなげて」というNPO法人を設立し,農山村にある優れた資源を掘り起こし,都市の住民や需要と結びつける事業を発展させて行きます。
こうした行いの成功譚と捕らえると,本書の魅力は半減すると思います。何よりも,著者の自由で大らかな発想と企画力,そしてそれを実現する上で不可欠なコミュニケーション能力と実行力は,ご自分では多くを語りませんが,秀逸なのであろうと思います。掲載された写真のいずれもが素敵な笑顔です。
物事は捉え方で,こんなにも違った姿を呈するのだということに驚き感動しました。
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URL => http://www.tabichikara.com/travel-dialogue/2010/08/23/192922.html
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評価は4です。

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