読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

コード・ブレーカー

2025年01月31日 15時55分44秒 | ■読む

ウォルター・アイザックソン著、文藝春秋刊
ハワイで生まれた少女、ジェニファー・ダウドナが、ジェームズ・ワトソンの著作「二重らせん」を読んで生物学への興味を深め、後にRNAの研究者になり、2020年にノーベル化学賞を受賞します。
本書は、彼女の来し方を軸とした医学、取り分け遺伝子研究に焦点を当て、現代の研究の最前線の動きを追っています。
ダウドナだけでなく、関係する多くの人々が登場しますが、著者は、その一人ひとりの人となりを含めて紹介し、多くの出来事を冷静にリアルに描いています。

著者の他書と同様、偏りのない公平な立場で描いていることが随所で窺え、利害の対立の経緯を描く際には、自身の意見をさり気なく入れる程度です。
それも、あくまで公平を期した上でのことです。

これだけの多くの人へのインタビューと関連記事の読み込み、広大な学問分野の理解などが本書の執筆には不可欠と思いますが、更に、深い洞察や温かい眼差しを感じる著作でした。

著者の他の著作著者への敬意を覚えましたが、本書では、研究競争の場面やコロナへの対応を巡るダイナミックな動きを見事に描いていて深い感動を覚えました。
今まで読んだ中で、最良の部類に入る優れた著作であると感じました。
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ウォルター・アイザックソン  ○ジェニファー・ダウドナ
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評価は5です。

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カメラまかせ 成り行きまかせ  〇カメラまかせ 成り行きまかせその2

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