読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

マイクロソフト ビル・ゲイツ不在の次の10年

2011年09月16日 20時20分19秒 | ■読む
メアリー・ジョー・ウォーリー著、翔泳社刊
かつて、パーソナルコンピュータがMS-DOSで動いていた頃、ソフトの大方はキャラクタベースで動いていましたが、ロータス123や桐、松などのソフトの可能性に胸を躍らされました。それまでのメインフレーム中心のデータ処理に対するパーソナルベースのコンピューティングに色めき立った時代でした。
その当時は、IBMなどのメインフレームが覇者であり、MS-DOSを開発・販売していたマイクロソフトは、ゴリアテに挑むダビデの様に見えたものです。そして、ウインドウズが登場して、最初はハングアップばかりしていたVer3.0、3.1でしたが、95になってどうにかマックに近づいて、マイクロソフトのオフィスも実用の域に達しました。
こうした道筋を経験したので、私のパソコン歴は、マイクロソフトと共にあったと思います。マックが常に憧れでしたが、仕事での使用を前提としていたので、常にマイクロソフトを使い続けました。そして気がつけば、いつの間にかウィンドウズとオフィスが、世界を覆い尽くしてしまい、マイクロソフトは、かつてのIBM以上の悪の帝国と捕らえられる様になりました。そして、私もそう思います。
マイクロソフトの歴史を概観すると、最初の成功は、MS-DOSは、間に合わせで購入したシステムを流用したもの。エクセルはロータス123の対抗製品、ウィンドウズは、マックのGUIを参考にしたもの。(マックも独創の産物ではありませんが)
マイクロソフトの今日の基礎を作ったのは、競合他社の製品のキラーソフトを開発し、効果的な販売戦略を行うことによるものでした。そして、力を付けるに及んで、OSを支配する立場を悪用して独占禁止法違反に問われることになりました。
本書は、巨大に成長したマイクロソフトが、ビル・ゲイツというカリスマが去った後に、引き続き成長軌道にとどまれるか否かを詳細に検討しています。マイクロソフトの来し方、社内の人事抗争、製品開発の経緯、トレンドなど、数多の内的、外的環境を示しつつ、未来の有り様を述べています。
残念ながら、洞察力を感じる分析はありません。全てが根拠に基づく論証であると共に、情報処理の方向性や市場が目指すであろう将来のテクノロジーなどの大胆な視点が全くありませんでした。いわゆるパソコン業界に埋没した記事のオンパレードで退屈でした。あるいは、私が期待したトーンの書籍ではなかったからかもしれません。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/マイクロソフト
     http://ja.wikipedia.org/wiki/マイクロソフトの歴史
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評価は3です。

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