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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

超巨大旅客機エアバス380

2015年11月25日 18時26分28秒 | ■読む
杉浦一機著、平凡社新書刊
ボーイングの747が、久しく世界最大の民間旅客機として君臨してきましたが、本書は、それをしのぐ巨大なエアバス380の構想から開発の経緯、航空各社の導入意向、空港施設の拡張の状況、運航システム、地上支援システム、型式証明取得のための各種試験までを余すところなく解説しています。
コンコルドで失敗した欧州が威信を掛けて開発したため、開発経緯の裏には凄まじい政治的取引があったでしょうが、結果として革新的な大型機の開発を成功させたことは誠に素晴らしと思いました。日本でもホンダと三菱がジェット旅客機の開発に成功し、やっと先進航空技術開発の緒に就いたところですが、本書を読むと、旅客機の開発には、利用需要の詳細な分析と環境負荷の低減を基礎として、仕様の決定から開発までの長期に亘る作業と、型式証明の取得までの膨大な投資が必要で、今後、日本が更なる旅客機の開発は、国家としての強固な意志がないと実現は無理なことが分かります。長期的な視点に立った戦略的取り組みが得意でなく、経済レベルの維持が精一杯の日本の力量が試されることになります。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/エアバスA380
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評価は5です。

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