狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

拳友・・・友の墓前に誓う「岩盤パンチの男」

2006-08-12 11:22:34 | 県知事選

◆約束

強打を誇るボクサーのことをハードパンチャーと呼ぶ。

ハードパンチはボクサーの誇りであり、これをファンは色んな表現で例える。

戦前の有名なボクサー「ピストン堀口」はピストンのように休まず繰り出すパンチで知られたが、ピストンには強打のイメージはない。

強打のイメージはダイナマイト・パンチ、必殺パンチ等いろいろあるが、戦後のボクシング界に登場したハードパンチャーには固有の強打のニックネームがついた。

青木勝利の「メガトンパンチ」、海老原博幸の「カミソリ・パンチ」、藤猛の「ハンマー・パンチ」等いずれも強打の「必殺パンチ」を誇っていた。

普通ボクサーが誇るハードパンチにつけられた「必殺パンチ」、や「殺人パンチ」の呼称はあくまでも例えでありボクサー本人にとっては栄誉でこそあれ忌み嫌うべきものではない。

人間がもつ最も原始的な闘争本能を、拳というシンプルな手段で、本気でぶっつけ合うところに観客は感動を覚える。

大衆はそのシンプルな本能のぶつかり合い故にボクシングを支持するのだ。

だが、リング上で繰り出した「必殺パンチ」が文字通り相手を死に至らしめる場合がある。

「殺人パンチ」でトラウマに悩み、一時はボクシングの断念も考えたハードパンチャーがいた。

その男のパンチをその男のトレーナーは強さゆえ固いパンチ、「岩盤パンチ」と呼んだ。

                   *

8月9日の午後1時過ぎ、鳥取市の第二いなば墓苑で、元日本スーパーフライ級王者・田中聖二さんが眠る墓に黙祷する数人の男がいた。

その男は墓前に花束と線香を供え、そしてその日の墓参の主目的であったWBC世界スーパーフライ級のチャンピオンベルトを墓前に供えた。

数分間じっと手を合わせたその男は「世界戦で力を全部出した。その結果、きれいなチャンピオンベルトを墓前に飾ることができてよかった」と墓前に報告、「常にベストを尽くす」と誓った。

この男の名は名城信男、現役のボクシングWBCスーパーフライ級世界王者である。

名城は4ヶ月前の4月15日、田中聖二さんの一周忌にもこの墓をお参りしていた。

「初防衛戦も必死にやって、またベルトを持って来たい」。

名城は最後にもう一度墓前に誓った。

                                        *

http://www.nikkansports.com/battle/p-bt-tp0-20060810-73357.html

ローカルニュース 8月10日の紙面から

田中聖ニさんの墓前にベルト 名城選手、勝利報告

 
対戦後に亡くなった田中聖二さんの墓にチャンピオンベルトを持参し、勝利報告をするWBAスーパーフライ級王者の名城信男選手=9日午後、鳥取市


 「きれいなベルトを持ってこれてよかった」-。世界ボクシング協会(WBA)スーパーフライ級王者の名城信男さん(24)=奈良市出身=が九日、鳥取市八坂の霊園を訪れ、自分と対戦後に亡くなった故・田中聖二さん=当時(28)=の墓前に光輝くチャンピオンベルトを供えて王座獲得の報告をした。名城さんは墓参を一つの区切りに、「強くなれるところまで強くなりたい」と、ボクシング人生の新たな一歩を踏み出す。

 名城さんは昨年四月、鳥取市出身で日本チャンピオンだった田中さんと対戦。田中さんを破り、新王者に就いた。しかし、田中さんは試合後に帰らぬ人に。ショックでボクシングから遠ざかった時期もあったが、復帰後の今年七月、無敗で世界王者まで登り詰めた。

 名城さんはこの日、ジムの会長らと来鳥。田中さんの墓前に花や線香をたむけた後、ベルトを静かに置いて無言で手を合わせて黙とう。「いろいろなことが頭に浮かんだ」という。

 墓参は、世界戦を前に一周忌で来たのに続き四度目。「勝負は勝つか負けるか分からない。でも次もベストを尽くした試合をしてここに来たい」-。防衛戦でも全力で戦うことを誓った。

 

 
◆時間を1年四ヶ月前の2005年4月3日に巻き戻そう。

場所は大阪市IMPホールで、ボクシング日本スーパーフライ級タイトルマッチが行われていた。

タイトル保持者は中聖二選手(28)=金沢ジム=で、鳥取市出身ボクサータイプ。

昨年11月に日本同級王座を獲得し、今回が初防衛戦で戦績は26戦16勝(4KO)7敗3分け。

王者田中のボクシングスタイルは、相手の踏み込みにあわせてジャブ、右アッパー、左クロスといった多彩なパンチを叩き込む技巧派サウスポー。

相手のパンチを空回りさせるディフェンステクニックが持ち味でその技術で元世界王者ジェリー・ペニャロサも苦しめた。

'97年7月プロデビュー。'02年8月元世界王者ジェリー・ペニャロサと対戦8R出血TKOで敗れるも善戦。

'04年5月現役世界ランカーホバン・ホルダ(フィリピン)に判定勝ちし世界ランク入りしている。

'04年11月27日WBCスーパーフライ級13位の田中は日本同級王者有永政幸(大橋)に挑んだ。

川嶋vs徳山の代理戦争とも言われたこの試合は田中が右ジャブとディフェンス技術でペースを掌握して、有永の強打を最後まで空転させ3-0の判定で勝利した。

そして日本王座を獲得した。

一方挑戦者の名城信男は、「一撃必殺」の堅い左右パンチを思い切りよく振って、対戦相手を追い込む右ファイター。

強打を振ると体が流れてしまうなど決してバランスはよくないが、その流れた体勢から再びパンチを放つことができる天性の下半身のバネを持つ。

すべてのパンチを強振するため、カウンターを食う危険性も高いが、その潔いファイトはファンの共感を得ていた。

キャリアで勝る田中のディフェンステクニックとプロ6戦目ながら「必殺パンチ」が魅力の名城の攻撃力が見所だった。

試合は前半から名城が攻めた。 

序盤は王者のディフェンステクニックに攻めあぐんだ名城だが、持ち前の強打で徐々に田中を追い込み上下の打ち分けなどで終始田中のテクニックを圧倒した。

ラウンドが進むにつれ、攻撃力で上回る名城が終始圧倒。

運命の10ラウンドのゴングがなった。

名城が左右の強打を決め田中をロープ際に追い詰めたところで田中の立っているバランスがおかしくなってきた。

そこでレフリーが試合を止めて名城の10ラウンドTKO勝ちとなった。

田中は初防衛に失敗。戦績は名城が6勝(4KO)、田中が16勝(4KO)7敗3分け。

ここまではボクシングの試合で良くある光景であった。

悲劇は試合終了後に起こった。

田中は控室で嘔吐(おうと)するなど症状が悪化し、意識不明の重態に陥ったのだ。

大阪市の国立病院機構大阪医療センター病院に運ばれ、開頭して血を抜く手術を受けたが、
試合の12日後の15日午後8時43分、前日本スーパーフライ級王者田中聖二は帰らぬ人となった。

死亡した田中聖二は名城の親友だった。

お互いにスパー相手となり、後に「岩盤パンチ」とトレーナーに呼ばした右のストレートも田中のスパーで磨きをかけた。

名城は親友、いや拳友とも言うべき田中を皮肉にも自分の拳で死に至らしめたのだ。

ショックでトラウマに悩んだ。

家に引き篭り真剣に引退を考えた。

相手にパンチを当てるのが怖かった。

戦いを恐れる日本チャンピオンは生きる屍だ。

戦意喪失ではもはや日本タイトル防衛は不可能と考えて、その前にタイトル返上して引退したほうがましだと考えた。

だが、田中の家族からの励ましの言葉が名城の気持ちを変えた。

「聖二から受け継いだ日本タイトルを出来るだけ長く防衛してください。そして聖二の代りに世界タイトルを取ってください。 それが聖二への一番の供養です。 引退はいけません」。

名城の五体に力が甦った。

≪そうだ。 引き継いだ日本タイトルを防衛する。 これが一番の供養なのだ。 そしてもう一つ。 君が果たせなかった世界王者のタイトル奪取だ≫

≪約束しよう。 世界王者のベルトをきっと墓前に供えることを≫

日本タイトル初防衛の相手はWBA4位の世界ランカープロスバー松浦(国際)と決まった。 

そしてその勝者はWBA世界スーパーフライ級王者カステーリョへの挑戦権獲得が決定した。

(続く)


具志堅用高の逆襲! 「亀田よ、挑戦を受けてみよ!」

2006-08-12 07:38:25 | 県知事選

亀田の記事もだんだん飽きてきた頃だが、 今朝の産経新聞に雑誌『WiLL』編集長花田紀凱が【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】を書いているが、亀田興毅について書いた文で、

≪小誌八月三日号で亀田を「まだ新人レベル」と評したWBC同級王者ブライアン・ビロリアは、この試合のビデオを見て、「これでカメダが勝ったのか?」と言ったきり、絶句した―〉

 これに尽きる。

 亀田が今、やるべきは自ら負けを認め、ベルトを返上、ランダエタに再戦を申し込むことだ。

 そうすりゃ、名誉も回復できるし、再戦を大みそかに中継すればTBSはまた視聴率が稼げて大喜びだろう(喜ばせたくもないが)。≫


亀田がランダエタの再戦を受けるとは思わないが、ランダエタ以外の相手でもTBSが大晦日に「亀田戦」をもってくれば視聴率は上がるだろう。

ところで同文中≪・・「これでカメダが勝ったのか?」と言ったきり、絶句・・≫のくだりで「これでメダカが・・・」と誤読して、WBC同級王者ブライアン・ビロリアは日本語のシャレのわかる男で「亀田はまだメダカの新人!」とかましたと思った・・・、が、おのれのつまらん誤読と分り残念!

亀田のことを「猿亀」とか「泥亀」とか「亀こう」とか種々あだ名がネット上を飛び交っているが「メダカの亀田」が一番本人を表わしている。

これで決まり! 亀田のニックネーム。

「メダカの亀田は未だオムツ!」by【WBC同級王者ブライアン・ビロリアランダエタ

「疑惑の判定」以来、金で王者の誇りを売った元世界王者たちが苦しい「亀田擁護」を繰り返す中、具志堅用高は黙して何も語らなかった。

ファンが今一番聞きたいのは具志堅さんのコメントだと当日記でも書いた。

あまりの沈黙に「まさか?」とも思ったが昨日元気に強烈な「時限爆弾」をメディアに披露したようで安心した。
 

以下サンケイスポーツ転載。

2006年08月12日 更新

【BOX】具志堅会長からの刺客!ついに動いた「反亀田派筆頭」

嘉陽(右)と具志堅会長

昨年12月に東洋太平洋王座を獲得した嘉陽(右)と具志堅会長。カンムリワシが、亀田に襲いかかる

亀田興毅(手前)と父・史郎

因縁の具志堅サイドからの挑戦。亀田興毅(手前)と父・史郎トレーナーは、さあ、どうする?

世界の闘拳に、カンムリワシ2世が襲いかかる!? 微妙な判定でプロボクシングWBA世界ライトフライ級王座に就いた亀田興毅(19)=協栄=に対し、23歳の東洋太平洋同級王者、嘉陽宗嗣(かよう・むねつぐ)=白井・具志堅=が11日、挑戦相手として名乗りをあげた。嘉陽の師は元WBA世界Lフライ級王者で、亀田批判の記事が発端となり、協栄ジムと“絶縁状態”にある具志堅用高会長(51)。『亀田Vs具志堅』の因縁の対決から、目が離せない。

カンムリワシから、刺客が放たれる。亀田陣営との遺恨がくすぶる具志堅会長が、日本中に論議を呼んだ今月2日の亀田の「微妙な判定勝ち」について、この日初めて口を開いた。

「ぼくの方から言うことは、特にない。(亀田は)王者になったのだから、ボクシング界のために頑張ってほしいね」

東日本ボクシング協会副会長という立場も考えてか、波風が立たないよう、口調は穏やか。しかし、水面下では「打倒・亀田」に向けた準備を着々と進めていた。秘蔵っ子、東洋太平洋Lフライ級王者の嘉陽を、亀田のもとに送り込む。

亀田Vs具志堅。6月26日付の全国紙朝刊の掲載記事が発端となり、両者に確執が生まれた。協栄OBの具志堅会長が「金をかければ、そんなに簡単に世界挑戦できるのか」など亀田陣営を痛烈批判。それに対し、協栄ジムの金平桂一郎会長(40)が「事実誤認も甚だしい」と激怒し、白井・具志堅ジムとの交流停止を宣言した。

そんな中、嘉陽が、具志堅会長の意をくむように、亀田に向け、堂々と挑戦状をたたきつけた。

「目指すのは世界王者です。チャンピオンになれるなら、WBAでもWBCでもいい。亀田くんでも誰でも、ぶっ倒しますよ」

KO宣言だ。嘉陽は、具志堅会長と同じ沖縄出身のサウスポー。階級も一緒で、会長の現役時代の異名にちなみ「カンムリワシ2世」と呼ばれる。今年6月の東洋太平洋王座初防衛時には、リング上から「亀田くんと、つかみとろうとするものが同じになった。ぜひ王者になってほしい。そうしたら、亀田くんとやりたい」とすでに“挑戦表明”していた。具志堅会長も「ぜひ、やらせたいね」と意欲を示している。遺恨たっぷりの両陣営の激突が、実現に向けて動き出した。

対する亀田陣営は、初めて戦ったLフライ級で、予想外にパワーが落ちたことなどを理由に、本来のフライ級に階級を上げることを考慮中だ。「亀田Vs嘉陽」戦実現には、クリアしなければならない問題は多いが、協栄Vs具志堅会長の“絶縁状態”は、興行の利害が一致すれば、障害にはならない。嘉陽サイドでは、10月9日に予定する東洋太平洋王座2度目の防衛戦(相手未定)を見送ってでも、亀田との世界戦を最優先する考えを固めている。

“場外バトル”が、リング上での闘いへ。具志堅陣営から放たれた刺客の挑戦に、世界の闘拳、亀田は、受けて立つか?

(田中浩)

◆協栄ジム・金平桂一郎会長

「こういうこと(マッチメーク)は、条件面などきちんとしたオファーがあってからの話。そうでないのだから、プロモーターとしてはどう言っていいか分からない。(興毅の)今後の方針についても、20日の大毅の試合が終わってからでないとはっきりしない」

■嘉陽宗嗣(かよう・むねつぐ)

1982(昭和57)年11月16日、沖縄・今帰仁村(なきじんそん)生まれ、23歳。沖縄尚学高ではボクシング部。アマ通算45戦36勝(16KO・レフェリーストップコンテスト)9敗。01年4月プロデビュー。05年12月に東洋太平洋Lフライ級王座を獲得し、今年6月に初防衛。プロ通算15戦14勝(8KO)1敗。1メートル63の左ボクサーファイター。

★この日の亀田

7日から練習を再開した亀田興毅は、この日も都内の専用合宿所で通常の練習をこなした。“微妙な判定勝ち”でわき起こった周囲からの反論に父・史郎トレーナーは前日10日から「無言」。亀田一家には、異様なムードが漂う。興毅は20日の二男・大毅のプロ第5戦でセコンドを務めるが、それまでは公の場に姿を現す予定はない。またフライ級への転級については、大毅の試合後に、父・史郎トレーナー(41)、金平会長と話し合う。

★具志堅会長VS協栄ジム

6月26日付の全国紙朝刊が、亀田3兄弟ブームについて、賛否両論を並べて取り上げたインタビュー企画の記事を掲載。「否」の立場で具志堅氏が登場し、「弱い外国人とばかり対戦しているのに、日本や東洋太平洋のランキングに押し込んだ」「金をかければ、そんなに簡単に世界挑戦できるのか」など、技術面やプロモート方法なども含め批判。これに対し、金平会長は「事実誤認も甚だしい。東日本ボクシング協会副会長という要職にある人の、こういう発言はいかがかと思う」と反論。「具志堅氏から謝罪や説明などがない限り、対戦相手やプロモートなどでの白井・具志堅ジムとの交流を停止する」と“絶縁”まで口にした。

★二男・大毅は20日に第5戦

大毅のプロ第5戦は、20日に横浜文化体育館で行われる。対戦相手は現インドネシア・フライ級王者のウィド・パエス(24)。今年6月の第4戦で5回TKO勝ちしたヨッピー・ベヌー(24)に続く、インドネシア人選手との対戦だ。