「自民党復党問題」「タウンミーティングやらせ問題」「本間教授スキャンダル」で支持率が大幅に下がったと煽るビデオを見て、
「小泉内閣の時は例えば塩ジーのような根回し上手のベテラン閣僚が首相を補佐し助けていた」
「だが、安倍内閣は本人も塩崎官房長官も内閣補佐官たちも若過ぎて根回しが出来ない」
「若さを売り物にして自滅した前原党首の頃の民主党のようなモロさを感じる」
と(正確ではないが)大体このように何時もの元気溢れる発言は影を潜めていた。
三宅さん、ご心配無用。 弱気になるのは風邪のせいですよ。
一昨日の日曜日フジテレビ「報道2001」でも同じような安倍内閣の支持率低下を問われて、出演の麻生外務大臣が歯切れの良い回答をしていた。
「支持率」とか「世論調査」と言う言葉に、政治家は弱い。
同じく「視聴率」に弱いのはテレビも同じだが、
「世論」に一喜一憂する風潮を一喝した藤原政彦御茶ノ水大学教授の発言が記憶に新しい。
皇室継承問題で「世論」がゆれていた頃、同じ「報道2001」に出演した折、
「日本伝統の極地である皇室に関わるような重要な問題を、世論で決めるものではない」
「世論なんて一晩で変るものだ」
正確ではないが大体このような発言をしてテレビの妄動ぶりを一喝した。
ところで一昨日の麻生大臣だが、
安倍内閣の「支持率低下」を問われて、
「安倍総理のお祖父さんの岸首相や吉田内閣の時、支持率が当時あったら森内閣以下だったろう」
「そうだったら安保改定も単独講和も出来無かっただろう」
安倍大臣、お見事!
確かその当時、社会党、共産党の左翼政党と朝日を筆頭の左翼メディアそして東大に巣食う左翼教授連が煽る「世論」に学生達が暴走させられていた。
岸首相は左翼暴漢に刺されながらも安保改定を断行した。
また吉田首相は東大学長に「世間を惑わす不逞の輩」と一喝して単独講和を結んだ。
この二つの「世論無視」が今日の日本の繁栄に大きく寄与したことは論を待たない。
小泉元首相の「ワンフレーズ 明快発言」に比較されて、安倍首相は曖昧発言で「世論」の評判は良くない。
だが、安倍首相は見かけ以上にしたたかな政治化だ。
「曖昧発言」といわれながら、結局内閣発足以来僅か二ヶ月あまりで中韓の首脳会談を実現、「改正教育基本法」と防衛省昇格法案」の重要法案の成立を見た。
それにしても「世論」には評判悪いが
「(靖国神社参拝には)行くとも行かないとも言えない」
は最近の政治家が発した言葉では歴史に残る名文句だと思う。
・・・で、来年8月15日前後に問われたらって?
勿論、「行ったとも、行かなかったとも言えない」
一寸時期遅れだが、一週間前の東海新報のコラムを転載。
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東海新報 世迷言 ☆★☆★2006年12月17日付
改正教育基本法と防衛省昇格関連法案が成立した。世論調査で支持率が五割を切った安倍内閣だが、小泉内閣でもできなかった重要法案をまず二つもクリアし、着実に加点しているということは外柔内剛、なかなかしたたかな首相の一面がうかがわれる▼両法案ともに問題ありとしている大新聞の論調を見ると、例によってあれこれ心配しているが、日本国民を骨抜きにして二度と足腰が立たぬようにするという、アメリカの占領政策とここで訣別し、その呪縛とくびきから解き放たれる一歩がようやく始まろうとしているのだから、ここは同慶としたい▼教育基本法の改正に民主党は反対したが、愛国心に関してはむしろ民主党が対案として発表した改正案の方がもっと踏み込んでいて、自民党内には政府案より好ましいという意見が強かったほど。だから、今回の反対は野党協力にヒビを入れないための戦術のように思える。右から左まで同舟している同党内には、改正支持派がいないはずがない▼防衛庁から省への昇格には同党も賛成したが、これにも党内左派から反対があったことは想像にかたくない。だが、小沢代表自身もかつては「普通の国」を目指すことを標榜していただけに、根底にある「譲れぬ一線」が浮上してきたのではなかったか。普通の国なら防衛をゆるがせにするなど考えられないからである▼同党は教育基本法の改正反対に野党共闘で臨んだが、審議拒否という禁じ手を使って非難を浴びた。これは真剣に政権党を目指すならやがて天につばすることになる愚策である▼次の参院選を標的にして対立軸を鮮明にすることはいい。だが、責任政党として将来の日本を考えるとき、視軸がぐらぐらしていては大局を見失う。