今朝の大手五紙の社説は「ウイニー判決」について、朝日と産経が判決を支持し、読売と日経が反対意見で、毎日がどっちとも取れる玉虫色の意見と見た。
大手五紙に限って言えば「(新聞)世論」は真っ二つといえる。
朝日と産経が社説で一致するのは珍しいが、それだけ微妙な問題なのだろう。
被告の元東大助手は控訴するというが、判決の不当性をダイナマイトの発明に例えていた。
この種のどっちとも取れる問題には、例え話の優劣が世論を見方にする。
◆朝日新聞【社説】「ウィニー有罪 開発者が萎縮する 」
運転手が速度違反をしたら、速く走れる車をつくった開発者も罰しなければならない。
◆産経新聞 【主張】「ウィニー判決 開発意欲をそがない議論を」
法廷で弁護側は、「刃物を作った人が、その刃物が使われた事件の責めを負うのと同じ」と主張、終始無罪を求めてきた。
◆読売新聞 読売社説(1)[ウィニー判決]「技術者のモラルが裁かれた」
技術には必ず「明と暗」がある。包丁を例に取ると、料理の道具なら「明」だが、凶器に使われれば「暗」になる。
判決はウィニーの「暗」の面を問い、使い方次第で社会に害をもたらすことを元助手は十分に理解していた、と認定した。にもかかわらず、開発と改良を続けネット上で不特定多数に無償提供し、著作権侵害を引き起こしたと断じた。
◆日本経済新聞 社説2 技術も配慮したウィニー判決(12/14)
◆毎日新聞 社説:ウィニー有罪判決 実態は変わらないむなしさ
技術が先に進み、法制度が想定していない世界が誕生してしまったというのが、ネットの実態だろう。元助手は即日控訴したが、著作権管理のあり方も含め、ネット社会に対応した仕組みを築くことが必要だ。
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◆資料ー各紙社説ーウイニー