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■本末転倒の普天間論議■
昨日のテレ朝「スーパーモーニング」で、名護市会議員選挙で稲嶺市長派が過半数を占めた報道に対し、鳥越俊太郎氏がに長講釈をした。
最後に、「これで辺野古移設がますます困難になった」と嬉しそうに結んだ瞬間、コメンテーターの田中弁護士が突っ込みをいれた。
「これで普天間基地も固定化しますね」と。
これで鳥越氏、急に黙ってしまった。(爆)
そう、名護市議選の結果は、肝心要の普天間基地を固定化させ、その結果、
普天間住民が被る「世界一危険な状況」も固定化されることになった。
鳥越氏が名護市議選の結果を長演説して喜んでいる場合ではなかったのだ。
鳥越氏も田中弁護士に指摘され己の浅はかな本末転倒の普天間論議に赤面したのか。
いやいや、面の皮の厚い鳥越氏の辞書に、赤面と言う文字は無かったはずだ。
昨日の沖縄タイムスも鳥越氏と同じく、名護市議選の結果を祝するように一面、社会面のトップは次のような大見出し。
◆一面
名護、与党が圧勝
辺野古移設困難に
◆社会面
移設にノーに追い風
「普天間に終止符打つ」 比嘉さん容認から反対
容認派から反対派に寝返った候補者は英雄扱いで、その逆はまるで「裏切り者」といったニュアンスが紙面から滲み出している紙面構成である。
その沖縄タイムス社会面の記事はこれ。
移設ノーに追い風 名護市議選
「普天間に終止符打つ」比嘉祐さん 容認から反対
2010年9月13日 09時42分
「これで移設問題を完全に終わらせる」「基地に頼らない振興策を」―。米軍普天間飛行場移設問題で全国的に注目された名護市議選は、辺野古移設に反対する稲嶺市政の与党が大きく過半数を上回った。新たな基地受け入れを国策として迫られてきた名護に、1月の市長選と同じ風が吹いた。また、渡嘉敷村では25歳で地域の農業発展を志す若者が最年少で当選を決め、国頭村では初の女性議員が誕生するなど、各地で新人候補が議席を伸ばした。
【名護】「移設の振興策に頼らなくても、市民の知恵でまちづくりを進めたい」―。1月の市長選で、超党派で辺野古移設に反対する稲嶺進市長を誕生させ、市長派のまとめ役を担ってきた比嘉祐一さん(66)は、自身を含め市長派が過半数を獲得したことに「市議会でしっかり市長を支えていく」。真っ先に祝福に訪れた稲嶺市長と固い握手を交わした。
過去には条件付きでの移設を容認してきた比嘉さんだが、前市政に対する不信感から、信頼できる稲嶺市長を担ぎ出した。「市長選と同じ結果が出た。名護市民は、もう基地はいらないと思っている」
今後も市長の公約実現をサポートする与党市議団の一人として、移設にも反対する。市議会では移設反対の決議も検討していきたいという。
比嘉さんの支持者の多くが保守系だ。移設に伴う経済振興策を否定する稲嶺市政の支持に回ったことで、風当たりは強くなった。考え方が変わったと受け取られ、離れていく友人や知人もいた。
しかし、その批判に比嘉さんはこう答えた。「政権交代で県外、国外移設を求めるうねりになった。私が変わったというより、世論が変わってきた。その思いに寄り添うのが政治家の役目だと思う」。移設問題に区切りをつけ、市政と一体となって市民本位の活性化に取り組みたい考えだ。
「民意示された」
当選の反対派3人
名護市議選では、米軍普天間飛行場の移設問題で、辺野古への移設反対の先頭に立つ人たちが相次いで当選を決めた。
東恩納琢磨さん(49)は、2006年の同市議選で1票差で次点だったが、県議会選への現職市議の出馬を受け、繰り上げ当選。市長支持派の過半数という結果に「市長選、市議選と民意は示された。『基地は要らない』。これは名護市からのメッセージと国は理解してほしい」と訴えた。ヘリ基地反対協議会の仲村善幸さん(63)は2期目の当選。仲村さんは「雇用、医療、福祉。基地問題の解決を抜きにして、そのほかのまちづくりはできない。市民が分断された14年の間、名護市民が自覚し始めた結果だと思う」と語った。
新人の川野純治さん(55)((★引用者注)は、27番目最後の議席に滑り込んだ。熊本生まれ鹿児島出身。地縁・血縁はなかったが、一貫して基地建設反対を訴えた。「名護市は生まれ変わる。稲嶺市政を支えて基地問題を解決したい」と意欲を示した。
辺野古の議席継ぐ
容認派・宮城安さん「市長と交渉」
「辺野古の議席を守ったぞ」。普天間飛行場の移設先に挙がる辺野古から新人の宮城安秀さん(55)が1000票を超える得票で当選。支持者らとバンザイを繰り返した。
同区出身で、勇退する市議会議長の島袋権勇さんが「後継者」に指名。同区行政委員会の副委員長、辺野古移設を条件付きで推進する団体の代表などを務め、地元「容認派」の旗振り役として活動してきた。
経歴から選挙戦では多くのマスコミに囲まれ、「(新人なのに)大臣になった気分」と笑いを誘うこともあったが、基地問題には触れず。当選インタビューでも「福利厚生など理解しやすい政策を訴えた」と慎重に言葉を選んだ。
民主党政権で代替施設の位置や工法など詳細は決まっておらず、さらに飛行ルート拡大やオスプレイ配備などこれまでの容認の前提が崩れる状況。宮城さんは「行政委員会で協議し、稲嶺市長とも交渉を重ねたい」と意気込む。一方、野党系少数の結果に「(容認という)地元の意見を取り入れてもらうのはより難しくなった」と声を落とした。(略)
★注:今上天皇が皇太子時代にひめゆりの塔を訪れた際、火炎瓶を投げつけ有罪判決を受けた人物。 沖縄に住みついて県民を洗脳する社民党系活動家。
◇
この日の沖縄タイムスの紙面から感じるのは沖縄全体が「辺野古反対派」の勝利の美酒で沸き返っているような印象である。
名護市の開票所に駆けつけたという芥川賞作家の目取真俊氏も、自ブログで鼻息も荒く次のように述べている。
<これから名護市では市長と議会が辺野古新基地建設反対で共同歩調を取り、市民もそれを支えていく。日本政府及び米国政府は、辺野古新基地建設が不可能であることを認め、一日も早く断念することだ。>⇒日米両政府は辺野古新基地建設を断念せよ!
作家でありながら想像力に欠ける目取真氏には、結果として起こる宜野湾市民の危険の固定化には思い及ばないのだろう。
風が吹けば、目に砂が入るだけでなく、桶屋が儲かるのですよ、目取真先生!
■一番の当事者の宜野湾市では伊波市長派が惨敗!■
目取真氏が名護市の結果に高らかな勝利宣言をする一方で、
筆者の投票地区である宜野湾市、・・・というより普天間移設の一番の当事者である宜野湾市の開票結果はどうなっていたのか。
そもそも普天間移設の発端は、普天間基地に隣接して住む宜野湾市民の危険除去が目的ではなかったのか。
だとしたら沖縄タイムスも名護市の結果を祝賀する記事の一部を割いてでも宜野湾市の結果に焦点を当てるべきではなかったのか。
宜野湾市は、「反基地」を看板に、知名度抜群の伊波洋一市長の影響で伊波市長派が圧勝したのか・・・と思われたが、事実は、意外というより予想通り市長派の惨敗に終わった。
その結果は何故か沖縄タイムスのウェブ記事には載っていないので琉球新報新報の記事から引用する。
〈統一地方選〉宜野湾市議会 野党が過...(琉球新報 2010.9.13)
【宜野湾】伊波洋一宜野湾市長の知事選出馬に伴う市長選の前哨戦として位置付けられた宜野湾市議選。定数28議席のうち、野党が17議席を占め、伊波市政を支える与党は少数となることが確実となった。改選前の与党9議席から1議席増えた一方で、中道的な議員が減り、野党も3議席増やした。知事選、市長選を抱える伊波市政にとって厳しい結果となった。
市議選では、米軍普天間飛行場の移設問題に多数が県内移設反対の立場をとるなど明確な焦点は見受けられなかったが、市長選の結果を占う意味で議会の勢力図に注目が集まっていた。
28日に開会する市議会定例会を前に、15日には与党候補の安里猛副市長が出馬表明をする予定だが、厳しい船出の選挙戦となることは否めない。伊波市長も定例会終了後に辞任する見込みだが、議会運営は難しい対応を迫られそうだ。
◇
■宜野湾市民の民意は辺野古容認■
>市長選の結果を占う意味で議会の勢力図に注目が集まっていた。
伊波市長は11月の知事選に立候補をしており、「反基地」に関しては稲嶺名護市長より筋金入りの「国外派」なので、
当然沖縄タイムスも宜野湾議会の勢力図には注目していたはずだが、宜野湾市の結果にはあえて頬被りを決め込んでいる。
地元テレビは、名護市の結果を仲井真知事に突きつけ、何とか「県内反対」の言質を取ろうと追いかけるが、県知事はあまりのしつこさにぶち切れ寸前になりながら、ものらりくらりと核心の「県外反対」は逃れていた。
今朝の沖縄タイムスの見出しによると、「名護市議選結果 知事『民意尊重は当然』政治姿勢は明言せず」ということになっている。
名護市議選の結果に沖縄のマスコミが揃って狂喜乱舞し、11月の県知事選で仲井真県知事の強敵と見られる伊波宜野湾市長にとっては追い風のような風評を撒き散らしているが、普天間移設問題の一番の当事者の宜野湾市民が伊波市長派に「ノー」を突きつけた事実こそ、大きな意味を持つ。 これは伊波市長にとって追い風どころか逆風である。
なぜなら稲嶺名護市長と過半数の議会が辺野古移設に反対すればするほど、普天間基地が固定化するからである。
沖縄マスコミが名護市の結果を「民意」と取るなら、宜野湾市民の「民意」は県内移設、つまり「辺野古移設」に賛成であるということも大きく取り上げるべきである。
個人的には仲井真県知事を積極的に応援する気はないが、一期目は消去法で仲井真氏に投票した。(対立候補は糸数慶子氏)
今回も相手が伊波洋一市長なら消去法に頼らざるを得ないが、仲井真知事にとって宜野湾市議会の結果は、名護市の結果を差し引いても大きな追い風となるだろう。
それにしても仲井真知事、もっとシャキッと出来ないものだろうか。
当初繰り返していた「県外・国外がベストだが現状を考えると県内も容認」、
これを現在でも明言してくれたら消去法でなく、積極的に応援するのだが。
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