狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

北方領土でロシアに完敗か?

2010-11-03 07:44:31 | 外交・安全保障

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駐ロシア大使、きょう一時帰国

 ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土を訪問した問題で、前原外務大臣は河野雅治・駐ロシア大使を一時帰国させたうえで、事情を聞く方針を明らかにしました。河野大使は、きょう成田に帰国します。

 「メドベージェフ大統領の北方領土訪問を受けて、事情を聴くために河野駐ロシア大使を一時帰国させることにしました」(前原誠司外相)

 前原大臣はきのうの会見でこのように述べて、河野大使を一時帰国させることを発表しました。前原大臣は、「一時帰国の期間は決まっていない」とも述べましたが、あくまでも事情を聴くための帰国で、対抗措置を目的とするものではないとの考えを示しました。

 「事情を私も聞きたいと思って、そう指示しました」(菅首相)

 また、菅総理もこのように述べて、今回の帰国指示が総理の判断であることを明らかにしました。

 外務省は当初、「APEC前の訪問の可能性は低い」と楽観的な見通しだったことから、前原大臣は大使館が収集した情報について、きょうにも帰国した河野大使から詳細に聴く見通しです。(03日01:31)

                                                      ◇

ロシア外相「大統領訪問、他島も計画」    
 【モスクワ=副島英樹】インタファクス通信によると、ロシアのラブロフ外相は2日、メドベージェフ大統領が国後島以外の北方領土を訪れる計画があると述べた。ロシア極東連邦管区のイシャエフ大統領全権代表も同日、「大統領は択捉、色丹島の訪問も望んでいる」と述べた。

 1956年の日ソ共同宣言では、平和条約締結後に歯舞・色丹の2島を日本に引き渡すことが明記されている。プーチン大統領(現首相)は、同宣言を基礎に2島返還で最終決着させたい意向を示していた。メドベージェフ氏が色丹島に足を踏み入れれば、ロシアが「妥協」の余地としていた島さえ返還しない意思を鮮明に出すことになる。

 会見でラブロフ外相は「大統領は他の小クリル諸島訪問も計画している」と発言した。通常、「小クリル」は歯舞・色丹を指し、すでに訪問した国後は入らない概念のため「南クリル(北方領土)」と間違えた可能性もある。

 一方、ラブロフ氏は、日本政府が駐ロシア大使を一時帰国させると発表したことについては、「日本の内政問題」との考えを示し、駐日ロシア大使を帰国させる考えはないと語った。

                         ◇

 民主党政権のアキレス腱は外交・安全保障保障だと言われていた。

それにしても、わずか1年の間に「米・中・露」という三大国との外交で大失敗をした民主党政権の責任は限りなく重い。

外交は一種の戦争だといわれるが、わが国は一年の間に「日清戦争」「日露戦争」「日米戦争」に同時に敗北したようなものである。

「民主党に一度はやらせてみたら」という平和ボケした国民の軽い気持ちが、取り返しのつかない結果を引きおこしたのだ。

日米合意を反故にし、普天間移設を混乱させたため日米間関係にヒビをいれ、

尖閣問題の弱腰対応で日中首脳は話し合いも拒否され、尖閣諸島問題をめぐって及び腰になっているすきにつけ込んで、ロシアは北方領土における不法占拠を固定化しようとしている。

「日米同盟の亀裂」そして「日中対立」のドサクサに紛れに北方領土は露大統領に「不法占拠」されてしまった。

中国に対する「柳腰」を見透かされたのだ。

ロシア(旧ソ連)が北方領土を昭和20年に不法占拠したのも、火事場泥棒的強奪だった。

ロシアは日ソ中立条約を一方的に破棄し、北方領土を強奪した。

念のため言うが、わが国は先の大戦でロシア(旧ソ連)とは戦争をしていない。

にもかかわらず北方領土の強奪を「大戦の成果」と喧伝するロシアは強奪国家に先祖がえりしたのだ

「外交交渉は話し合い」だとするわが国は、これまで幾度となく返還交渉を続けてきた。

例えば

「1956年10月、日ソ共同宣言に調印、国交回復。平和条約締結後に歯舞群島、色丹島を引き渡すと明記」

「93年10月、エリツィン・ロシア大統領が来日。北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結する方針を確認(東京宣言)」

だが、自民党政権が行った普天間移設に関する日米合意を、民主党政権に変わったとたん、いとも簡単にこれを反故にした。

そして日米の信頼関係にヒビを入れた。

そこにつけ込んだのが今回の露大統領の今回の「北方領土占拠」であり、これは1956年の「日ソ共同宣言」も93年の「東京宣言」も反故にしたことになる。

前原外相は、今回の中ロ大使の召還を「対抗処置ではなく、事情を聞くだけ」とロシアに気配りをしているが、事情を聞いた後、

一体何を対抗手段にするつもりか。

ロシア大統領の北方領土占拠という強い意思表示のボールは日本側に投げつけられたのだ。

これに対抗処置もなく、この期に及んでも事情を聞いただけで大使を戻すという腰砕けなボールを返したら、

その瞬間世界の世論は「北方領土はロシアのモノ」ということで確定してしまう。

人類は歴史から叡智を学ぶ。

第二次大戦までは帝国主義的領土強奪を可としていた。

だが、現在それを行うと世界を敵に回すことになる。

ロシア事情に詳しい佐藤優氏によると、現在のロシアはソ連時代の共産主義的領土野心は消えても、さらに帝政ロシアに先祖帰りして領土強奪の野心に燃える帝国主義国家に様変わりいるという。

前原外相が「(ロシアの実効支配は)不法占拠だ」と発言したことへの対抗処置として大統領が北方領土を訪問したと報じられている。

自民党時代も麻生首相が「不法占拠」と発言し、これをめぐってメドベージェフ大統領と口論したこともあった。

だが当時はロシアが今回のような強硬手段に訴えなかった。 その理由はは、日米同盟の信頼が厚かったからだ。

日米安保の抑止力である。

ところが民主党政権になって、このような失態が続いている。

日米合意反故⇒日米同盟に亀裂⇒中国の尖閣近海領海侵犯⇒ロシア大統領の北方領土占拠・・・

立て続けに外交の失敗・国益の毀損の連続ではないか。

「柳腰」という名の「弱腰外交」はロシアに見透かされている。

どうせ「話し合い」と称してウヤムヤにしてしまう「柳腰外交」だろうが。

帝国主義的強奪国家にに変身したロシアは、「柳腰外交」に対しては次々恫喝を繰り返す。

そのうち根室も歯舞・色丹の続きであると言い出しかねない。

このままではわが国は溶解の果てに沈没してしまう。

管政権が取るべき最良の政策は、解散総選挙以外にない。

 

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