蓮舫氏の「二重国籍」問題が波紋を呼んでいる。問題の本質は経歴詐称だ(写真はイメージ)

 民進党の代表選挙が9月2日に告示され、蓮舫、前原誠司、玉木雄一郎の3氏が届け出たが、今のところ蓮舫候補が優勢とされている。ところが私の主宰するウェブサイト「アゴラ」で八幡和郎氏が8月29日に書いた「蓮舫にまさかの二重国籍疑惑」という記事が大きな波紋を呼んでいる。

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 この記事は単に蓮舫氏の国籍を事務所に問い合わせたが返事がなかったというだけなのだが、その後も不審な事実が出てきた。これに9月2日の読売テレビの番組で、彼女が「私は生まれたときから日本人です」と答えたが、他方で「高校3年の18歳で日本人を選びました」と言ったため、「おかしい」という批判が広がった。

「生まれたときから日本人」は経歴詐称

 蓮舫氏は1967年生まれで、在日台湾人2世である。一時期までは選挙公報や公式ホームページで「1985年に台湾籍から帰化」と書かれていたが、最近は「私は日本人」と強調するようになった。しかし18歳で帰化した人が「生まれたときから日本人」であるはずがない。

 彼女は最初、国籍問題については「質問の意味がわからない」などと逃げていたが、9月6日になって嘘を認め、「日本人でありたい」と言い換えた。この日に事務所スタッフが東京にある台北経済文化代表処(台湾大使館に相当する)に「国籍放棄」の手続きをした。

 事務所は「国籍は喪失しているはずだが、確認が取れないので改めて届けた」と説明しているが、一度放棄した国籍を二度放棄することはできない。国籍を放棄した文書も開示されていないので、これは「国籍喪失していなかったので初めて届けを出した」と解釈するしかない。

 これについて「二重国籍は違法だ」という批判が出る一方、「日本国籍は持っているので台湾国籍を放棄しなかったことは大した問題ではない」という擁護論も出ているが、誤りだ。これには台湾をめぐる複雑な事情がからんでいる。