記憶によれば、2015年、翁長知事が「第三者委員会」の「瑕疵あり」の報告を受け、いつ「埋立承認取り消し」を行うのかと夏から秋にかけて市民が待ちかねていたころ、突然降って湧いたように「県民投票」が報道された。それもいつの間にかすぼまり、今度また浮上してきたゾンビのような概念である。何か裏で政治的策略がありそうだが私にはわからない。

 沖縄は知事選を含むさまざまな選挙や県民大会、世論調査などで「民意」を示しても政府は顧みもせずに工事を強行してきた。そのパターンが県民投票をやったからといって変わることはない。その間に工事は取り返しのつかなくなるほど進む。県民投票をしてそれを無視する政府にまた「怒る」だけで終わるのが目に見えている。

 私は本当に基地を止めたいと思っている人が県民投票など推すはずはないと思っている。県民の圧倒的な反対の声を背負って知事になった翁長知事が、ご自分の権限で基地を阻止するべきなのにどうしてまた市民に振り戻すのか。県政も、県民投票に前向きな姿勢を表明したようだが、あまりにも無責任ではないか。

 県民投票に成功しても、国は埋立承認がそのままである限りは着々と工事を進めるであろう。それどころか工事を加速させるであろう。また、歴代の沖縄の選挙にありがちであったように、国側の不当な介入によって万が一逆の結果が出る可能性もある。そうなった場合、県民投票を推した人たちはどう責任を取るつもりなのか。いい結果になってもプラスはなく、悪い結果になったらマイナスは果てしないというゲームにどうして多額の費用と労力と時間をかけて突入するのか。最近県議会で言及された「出直し選挙」にしても同様である。

 工事が毎日進む今、翁長知事は、本当に基地阻止ができる可能性のある「埋め立て承認撤回」を今すぐ行ってほしい。2年以上「視野に入れた」状態を続けた後、今でも遅いのだが、もちろんしないよりはした方が阻止の可能性が高まる。損害賠償を求められるとしたら遅ければ遅いほどその額は増え、阻止は遠のく。「天王山」は今なのだ。(『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』編集者)(2017年3月2日付沖縄タイムス文化面から転載)

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◆以下、東子さんのコメントです。

「【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(下)県民投票にメリットなし 新基地阻止は知事権限で 2017年3月8日 17:18」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/87608?page=2

>そもそも「県民投票」は前知事選候補の下地幹郎氏が主張していたが、当時、翁長候補の支持者たちは批判していた。
>また浮上してきたゾンビのような概念である。
>何か裏で政治的策略がありそうだが私にはわからない。
>沖縄は知事選を含むさまざまな選挙や県民大会、世論調査などで「民意」を示しても政府は顧みもせずに工事を強行してきた。そのパターンが県民投票をやったからといって変わることはない。
>その間に工事は取り返しのつかなくなるほど進む。
>県民投票をしてそれを無視する政府にまた「怒る」だけで終わるのが目に見えている。
>県民投票に成功しても、国は埋立承認がそのままである限りは着々と工事を進めるであろう。
>それどころか工事を加速させるであろう。
>いい結果になってもプラスはなく、悪い結果になったらマイナスは果てしないというゲームにどうして多額の費用と労力と時間をかけて突入するのか。

県民投票に対する不安は何も解決されないまま、実施へ。

県民投票をしてそれを無視する政府にまた「怒る」だけで終わる。
これが目標だ。
無視する政府にまた「怒る」種を尽きさせない為の県民投票。

とうことは、もし、県民投票で「辺野古“埋立”賛成」が反対を上回ったら?
「無視する政府にまた怒る種」は、尽きる。


沖縄県民の皆さまにお願い
県民投票を拒否する議会、市長を応援すると同時に、県民投票が実施される市町村では、「棄権せず、普天間の危険の除去には辺野古移設が必要だから埋立賛成に投票するよう」呼びかけを!

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